ドイツ語質問箱

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前置詞 + 副詞 ! 引用
  2009/11/3 (火) 08:47:34 - Opa - <メール送信> - No.1257205654
田中先生 いつもながら丁寧な応対を拝見して感心います。

氷解しない疑問(但し「重箱の隅」的 Nebeninteresseですが)について教
えてください。
Nach rechts, Von rechts などは 前置詞 + 副詞 ですが、このふた
つの品詞が結びつく文法的な説明が見つかりません。 
なにか説明がつくのかそれとも『マア、そんな風に慣習的に使うだけだよ』
というレベルなのか知ってみたくてお手を煩わせますが何卒よろしく。

昔、受付嬢から『来客ですよ!』と言われて、『二階の自室へ通して!』の
意味で『Nach Oben, bitte!』 としょっちゅう言っていましたが、Oben を名
詞と信じて疑わなかった誤りに今頃気づきました。

返信1 返信-1
 2009/11/3 (火) 13:59:03 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1257205654.1
こんにちは。いつもためになるご質問をありがとうございます。
今回のご質問は、難解ですね。

> Nach rechts, Von rechts などは 前置詞 + 副詞 ですが、
> このふたつの品詞が結びつく文法的な説明が見つかりません。

たしかに、文法書には「前置詞は形容詞や副詞と結びつくこともある」といったような記
述がなされているだけですね。もっと言語学的にこの「現象」について研究されている文
献もあるのかもしれませんが、ちょっとすぐにはわかりません。

前置詞には名詞の格支配がある以上、前置詞の目的語(言語学的には「項 (Argument)」
とか「補足語 (Ergänzung)」といいます)は名詞句であるのが本来ですので、だからこそ
今回のご質問が非常に興味深いわけですね。ということは、逆にいえば、前置詞の項に
なっている副詞や形容詞にも一種の名詞的な属性を見出すのが一番説明がつきやすいとこ
ろではあります。そこで真っ先に浮かんだのは、

Das Horoskop von [vor 3 Tagen] zeigte ...

にみられるように、前置詞がさらに前置詞句を項にとっているものです。なぜこれが頭に
浮かんだかというと、たとえばこの例で vor という前置詞がありますが、これをあえて
日本語に対応させると「〜の前に」となると思いますが、日本語なら「前」という名詞表
現が入っているものが、ドイツ語では vor という一語で表されているということが気に
なったからです。vor の場合、時間的な意味と空間・位置的な意味を併せ持ちますので
ちょっと複雑なのですが、話を簡単にするためにここでは時間的な意味に集中すると、ド
イツ語ではvor という一語(の前置詞)には [+時間を規定する副詞的な役割] かつ [+基
準点から見て『前』] という少なくとも2つの属性を帯びている。それに対し、その日本
語対応物にあたる表現はというと、 [+基準点から見て『前』] ということに対しては文字
通りの名詞「前」という語(=名詞)を使い、かつ、 [+時間的な規定] として副詞的に
機能させるために助詞「に」などを組み合わせて「前・に」とするわけです。つまり、
ドイツ語の vor には、語彙的に(それ以上の分解は不可能ではあるものの)すでに
「前」という(空間・位置関係を規定する)名詞的な属性が含まれていると考えられない
かということです。

あとは、

Ich halte seinen Vorschlag für [sehr gefährlich].

などのようなときの項となる形容詞にも、この説を押し通すならば

→ Ich halte seinen Vorschlag für [einen sehr gefährlichen Vorschlag]
(für [eine sehr gefährliche Idee]). のような名詞的な指示対象を想定するこ
とになるでしょう。

今回ご指摘の von rechts や nach rechts も同様に説明できそうでしょうか?

nach [rechts] → nach [der rechten Seite]

副詞表現は täglich <--> jeden Tag や、nachtsüber <--> die ganze Nacht のように、
「副詞的4格」などに類似したものとして言い換えられることもあります。

以上、正直なところはよくわかりません。
ただ、『マア、そんな風に慣習的に使うだけだよ』だけで済ますのもちょっと面白くない
と思いましたので、仮説をたててみました。まあ、そうは言っても、単なる思いつきを書
いただけですから、

Man muss leider sagen, diese Annahme ist [eine Kleinigkeit (=ein bisschen)] albern.

ということかもしれません。

返信2 返信-2
 2009/11/3 (火) 16:29:42 - Opa - <メール送信> - No.1257205654.2
田中先生
あまりの速さにビックリしつつ、御回答、御礼申し上げます。

はっきりした説明がつかない、という事を知っただけでもラッキーです。
立ちこめる霧の向こうに、何もないのか、手ごたえのある新知識があるのかが
一人机に向かって居ると検討がつかずどうしても霧の向こうを見たくなります。
本当にありがとうございました。

rの発音 引用
  2009/11/3 (火) 11:36:38 - 悠平 - <cunrb807@occn.zaq.ne.jp> - No.1257215798 - 返信コールON
ドイツ語会話を習い始めの者です。どうしても理解できない発音があります。それはr
の発音で、例えばfahren→ファーガンと聞こえます。ファーレンではないのでし
ょうか。同様に、Roman→ゴマン、Radio→ガーディオ、ihre→イーゲ等
多くあり、発音はどのようにすれば宜しいのでしょうか。また別途radieren→
ラディーレン、raffiniert→カフィニィーアト、Freund→フォイン
ト、などがあり何か規則性があるのでしょうか。

返信1 返信-1
 2009/11/3 (火) 15:09:53 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1257215798.1
こんにちは。ご質問ありがとうございました。
ご指摘の現象( /r/ の音が耳には /g/ や /k/ に聞こえる)というのは、以下に示しま
すように調音(音を作り出す)の(喉の中の)部位が非常に近いからで、その意味では、

> Roman→ゴマン
> Radio→ガーディオ

などと聞きとれているのはドイツ語の調音に柔軟に対応できているということであり、す
ばらしいことです。

さて、/r/ の音は、「口蓋垂」(いわゆる「のどひこ」)を震わせることで調音します。
他に「巻き舌」を使った方法もありますが、こちらは Roman→ゴマン ということに
はならないと思いますので、おそらく耳にされているのはこの「口蓋垂の /r/」だと推察
できます。

この /r/ が /g/ や /k/ にも聞こえてしまうのは、/g/ や /k/ (なお、/g/ と /k/ は
有声音か無声音の違いで、同じ調音点を使います。有声音は声帯と呼ばれる部位が振動す
ることを意味し、無声音では声帯が震えません。声帯はアイウエオなどの母音を発すると
きに喉に手をあてると喉の中で振動が響いていると感じられる部分があると思いますが、
その部位です。)が「口蓋垂」にもっとも近い位置で調音されるからです。「もっとも近
い」ということについては,子音の調音点が音声学では次のように区分されています。

喉の奥深い部位から順に書きますと、
a) 声門音(声帯と声帯の隙間を使う)・・・母音をはっきりと調音するための破裂音
b) 口蓋垂音・・・ /r/
c) 軟口蓋音・・・ /g/, /k/, /ch/ ([x]) ほか
d) 硬口蓋音・・・ /j/, /ch/ ([ç])
e) 硬口蓋歯茎音・・・ /sch/, /tsch/
f) 歯茎音・・・ /d/, /t/, /n/, /l/, /s/, /z/ ほか
g) 唇歯音・・・ /f/, /pf/ ほか
h) 両唇音・・・ /b/, /p/, /m/

です。詳しいことは、ドイツ語の文法書に書かれているものがありますのでご覧くださ
い。(たとえば『独和大辞典』(小学館)、『中級ドイツ語のしくみ』(清野智昭著/白
水社)などがあります。)

今回ご指摘の Radio, radieren, fahren などに含まれる /r/ は b) 口蓋垂音で、それに
もっとも近いところで調音するのが c) 軟口蓋音(/g/, /k/)です。「軟口蓋」は、口の
中、上あごの奥のほう、柔らかい粘膜でできた部分をいいます。そのさらに奥が喉で、口
蓋垂はそこにあるわけです。

ですから、/r/ が日本人の耳には /g/ や /k/ に聞こえてしまうのは仕方がないかもしれ
ませんし、聞き分けるには訓練や経験が必要でしょう。

なお、「別途」として挙げてくださっている

> raffiniert→カフィニィーアト

については、上述のとおりです。/r/ → /k/ の類似(なお、直後に無声音の /f/ が続く
ため、同じく無声音の /k/ として聞こえる)です。

> Freund→フォイント

これについては、日本語では「子音」が来たらすぐに「母音」を挿入するので(母音ひと
つにつきひとつの子音を組み合わせて「一音節」を作る)、「子音+子音」の連続に慣れ
ていません。Freund は Fu・reund ではなく /fr/ をひとつの子音の連続体として発音しま
す。実に /freund/ 全体でいわゆる「一音節」(単語そのものが一音節)です。実は、そ
もそも「母音」の定義が、「声帯を震わせて調音される音で、口の外まで発声されるまで
の間に、口や喉の中のいかなる部位にもその音の流れが阻害されない音」ですので、調音
点は「声帯」です。つまり、/r/ の音も調音点が声帯にほど誓い口蓋垂ですので、/f/ と
比べて /r/ のほうは母音に近い音であって、上述の /f/ と /r/ では /f/ のほうがより
際立って聞こえます。Freund が「フォイント」と聞こえるのはそのためです。

これらの規則を逆手にとると、Freund は日本人が発音するときにはわざと「フォイン
ト」と言えば、ドイツ語のネイティブスピーカーにはほどよく聞こえるということになる
かもしれませんし、それは言いすぎであれば、少なくとも「一音節の中に子音が2つ(あ
るいは3つ)連続するときには、一息で(つまり一音節の中に収めるように)発する」と
いうことを意識するきっかけになると思います。

ドイツ語の学習をはじめられたばかりの悠平さんに難しい用語を並べてやや専門的な説明
をすることになってしまいましたが、いつかはしっかりとこのような言語学的な(この場
合は音声学的な)仕組みを理解する必要があるでしょうから、これを機会にいろいろと解
説書や文法書をご覧くださればと思います。

過去完了 引用
  2009/10/30 (金) 02:19:12 - raum - <メール送信> - No.1256836752 - 返信コールON
すみません、
もう1問質問をお願い致します。

Nachdem er nach Haus gegangen war,besuchte uns seine Frau.

という過去完了の文が訳せません・・・。

彼は家に帰った後で、私たちを訪ねた?? seine Frau はどう訳したらいいのか。

宜しくお願い致します。




返信1 返信-1
 2009/10/30 (金) 03:06:09 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1256836752.1
ご質問ありがとうございました。

> Nachdem er nach Haus gegangen war,besuchte uns seine Frau.

「彼」と「その奥さん」が行き違いになったのではないでしょうか。
「彼」が少し前まで「私たちのところ」にいて、「彼」が家に帰ると立ち去った後に、
「彼の奥さん」が「私たち」を訪ねてきた。。。

> seine Frau はどう訳したらいいのか

もちろん、seine Frau は主文 ... besuchte uns seine Frau における文の主語です。一
般的に「主語は目的語に先行する(主語―目的語の配列)」という固定観念があります
が、実際には今回の文のように目的語が人称代名詞であるような場合には「目的語が主語
に先行」します。「人称代名詞」というのは、話の流れのなかですでに登場している人・
モノを指しますので、代名詞になっている時点ですでに情報としては新しくありません。
それに対し、主語が新しい情報(ここでは seine Frau)である場合、新しい情報のほう
が文の後のほうに来ます。これは、出現を後回しにすればするほど、聞き手の耳・記憶に
残りやすいということとも関係しているはずです。「新しい情報は右」の原則です。

返信2 返信-2
 2009/11/3 (火) 01:37:35 - raum - <メール送信> - No.1256836752.2
お返事ありがとうございます。

「目的語が主語に先行」、「新しい情報は右」の原則、
なるほどです。

なかなか慣れませんが、今回新たに勉強になりました!

こういった文構成が早く理解できるようになれたらいいなぁと思ってます。

ありがとうございました!


2格とvonについて質問です。 引用
  2009/10/25 (日) 14:32:30 - daisy - <メール送信> - No.1256448750 - 返信コールON
はじめまして。
ゼミで2格付加語とvon前置詞句の使い分けを調べようと思っています。
特に付加語として地名が来る場合、どのような基準で分けられるのか、またどのような
傾向があるのかなどを調べています。
例えば…
Flughafen Tokyos

Flughafen von Tokyo
どちらの表現を多く使うことが多いのか。そして、Flughafenにあたる名詞の意味や単語
の特徴でも2格とvonの違いが出てくるのか、などです…
ネットで調べてみてものってないし、文法書もそこまで突っ込んだことは書いていなく
て…
何か分かることや、お勧めの文法書などがあれば教えていただけると嬉しいです。

返信1 返信-1
 2009/10/28 (水) 04:11:46 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1256448750.1
ご質問ありがとうございました。

とても興味深いテーマですね。

DUDEN Bd.4 Die Grammatik (第7版, 2006)の S.979 では、次のような「2格制
約」とも呼ぶべきルール(die Genitivregel)について説明されています。その内容は
「名詞句が2格として付加的に使えるのは、次のふたつの条件を満たす場合に限る。(i)
その名詞句が少なくともひとつ語尾変化をする形容詞を含んでいること。(ii) 少なくと
もひとつの語が -s か -r の語尾になっている。」というものです。

この制約(条件)によると、

(a) *Der Konsum [Wassers] nimmt ständig zu.
(b) Der Konsum [frischen Wassers] nimmt ständig zu. (DUDEN 2006: S.980)

(a) のように "der Konsum Wassers" は、Wassers が語尾 -s を持つことで (ii) の条件
は満たしていても、(i) の条件を満たさないので不適格、ということになります。

さらに、同835ページには、(2格付加語の代替形式としての)von前置詞句は、上述の
Genitivregel が付加語的2格を許さない場合に(なってはじめて)、von を使っての代
替形式を用いる、と書かれています。

ただし、今回のご質問にあるような固有名詞(都市名や人名)が付加語的2格部分になる
ときは、すぐさま (i) の違反でアウト、というわけではなく、普通名詞とは違った判断
になります。これは、固有名詞が、普通名詞と比べると、すでに性質上、その語の中にい
ろいろな付加語的な素性(--> これが (i) を満たす?)を含んでいるからかもしれませ
ん(Tokyo: eine große Stadt, eine der modernsten Städten der Welt, eine moderne,
aber auch historische Stadt ...)。

そこで、Genitivregel を基準に考えてみた場合、

> 例えば…
> Flughafen Tokyos
> と
> Flughafen von Tokyo
> どちらの表現を多く使うことが多いのか。

"Flughafen Tokyos" が固有名詞の特殊性からすぐさま上述の Genitivregel に排除され
ることはなくても、形式上それに反している以上、"Flughafen von Tokyo" のほうが多用
されるということになるでしょう。実際、同836ページにもそのような記述があります。

(c) (低頻度) Das ist [eine bekannte Fuge [Bachs]].
(d) (高頻度) Das ist [eine Bekannte Fuge [von Bach]].(S.836)

いま、実際に、Google で (1) "Flughafen Tokyos" と (2) "Flughafen von Tokyo" の
キーワードで検索したところ(そのままの文字列でヒットさせるために、キーワードは前
後を引用符で囲みます)、(2) は20,300件だったのに対し、(1) は41件でした。
Google 上にはドイツ語で書かれている記事でもそれが実際にはドイツ語を母語とする人
が書いたとは限らないものも含まれますので、新聞などの公刊物を素材とする言語資料よ
りも正確性は低くなりますが、それでも、ご覧のように、ある表現や用法の実態を知るの
にはとても有効です。

ところで、地名を付加語的に使う場合は、"Tokyoter Flughafen" のような表現もありま
すので(同上427件)、この用法は本論から外すのだという場合には、「ここでは、
Tokyoter Flughafen のようは用法は除外して考える」という注釈かなにかは必要かもし
れません。ちなみに、Tokyo のような日本の地名は難しいかもしれませんが、ドイツの地
名ですと、簡易検索の結果は次のようになりました:

"Flughafen Hamburgs" 2,310件
"Flughafen von Hamburg" 22,800件
"Hamburger Flughafen" 38,600件

それから、

> Flughafenにあたる名詞の意味や単語
> の特徴でも2格とvonの違いが出てくるのか

この点につきましては、やはり関係してくるかもしれません。と言いますのも、2格付加
語とvon前置詞句は、本来は意味(の広さ・狭さ)に違いがでます。たとえば、"Das ist
ein interessantes Foto von Taro." といった場合、この「写真」は「太郎が撮った」写
真かもしれませんし、「太郎が被写体になっている」写真かもしれません。それに対し
て、Das ist ein interessantes Foto Taros. ですと、これは属格(所有格)なのですか
ら、一義的に「太郎が撮って自分で所有している」写真です。(なお,「太郎が自分で撮
影したわけではなく、誰かにもらったり収集したりして所有している写真」という解釈も
ありますが、ここでは置いておきます。)

Flughafen Tokyos という表現が、必ずしも「東京都が所有している空港」という意味を
さしませんので、このあたりはご指摘のように被修飾語となる名詞部分の意味区分が関係
しているのかもしれません。「空港」はどちらかというと「公共性の高い」施設ですの
で、属格表現があまり好まれないというわけです。

以上、大きく分けて、2格を付加語として使えるための制約、被修飾語となる名詞の意味
という2つの視点が話題にのぼりましたので、このあたりをどのように複合的に扱うかは
考えてみてください。参考になれば幸いです。

返信2 返信-2
 2009/10/31 (土) 14:53:39 - daisy - <メール送信> - No.1256448750.2
お返事ありがとうございます。

DUDENには結構のってそうですね!
わざわざ検索もしていただいて…

参考にさせていただきます。

walcher と was für ein について 引用
  2009/10/29 (木) 22:51:19 - raum - <メール送信> - No.1256824279 - 返信コールON
こんにちは。
問題集をやっていて、理解できないところがあったので、
質問させて頂きます。

問い)
Hier sind mehrere Anzüge.
Welch( ) ziehen Sie ungern an ?

()内に、語尾をいれるのですが、
解答では、 welche になっています。

わたしは、 Anzug は男性名詞なので、 welchen が答えだと思ったのですが、
これは、複数形の4格として、welche になっているのでしょうか?

宜しくお願いいたします。



返信1 返信-1
 2009/10/30 (金) 01:09:54 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1256824279.1
ご質問ありがとうございました。

> Hier sind mehrere Anzüge.
> Welch( ) ziehen Sie ungern an ?

> Anzug は男性名詞なので、 welchen が答えだと思ったのですが、
> これは、複数形の4格として、welche になっているのでしょうか?

 そうですね。この場合、"Welche Anzüge ziehen Sie ungern an?" というように、複数
形を使います。考えかたとしては、相手に「(いくつもあるスーツのうち)あまり好んで
着ようとは思わないスーツはどれ?」と聞くときに、なにも答えを「ひとつのスーツ(単
数形)」に制限してしまうことはないということです。
 典型的な例ですと、"Haben Sie Kinder?" (お子さんはいらっしゃいますか?) とたず
ねる場合を考えてみてください。相手の答えは "Nein, ich habe keine Kinder." かもし
れませんし、"Ja, einen Sohn." かもしれませんし、"Ja, drei Kinder - zwei Töchter
und einen Sohn." かもしれません。つまり、相手の答えが単数形か複数形か、あるいは
ゼロか、質問する時点ではわかりません。わからないからこそ、複数形でたずねておくの
が自然です。"Haben Sie ein Kind?" のようにはじめから子どもの数を一人に限定して質
問するのは失礼だということにもなるかもしれません。
 今回の文でも、"Alle Anzüge gefallen mir gut." という返答になるかもしれません
し、"Den [Anzug] hier ziehe ich lieber nicht an." かもしれません。はたまた
"Den roten [Anzug] hier und den bunten [Anzug] da mag ich nicht." などという答え
が返ってくるのかもしれません。
 なお、"Welchen Anzug ziehen Sie ... an?" とするには、たとえば副詞を am
ungernsten として、最上級でたずねると、答えとなるのは単数形となるでしょう(副詞
gern の最上級は am liebsten ですが、ungern の最上級は am unliebsten ではなく am
ungernsten となるのが一般的なようです)。「最も・一番〜なもの」は、通常、ひとつ
(単数)だからです。

返信2 返信-2
 2009/10/30 (金) 01:42:41 - raum - <メール送信> - No.1256824279.2
さっそくお返事ありがとうございます。

安心しました!

ありがとうございました。

meine Freundin について 引用
  2009/10/4 (日) 16:38:13 - 留巳 - <メール送信> - No.1254641893 - 返信コールON
こんにちは。
教えて頂きたくメール致しました。
以下のドイツ語は男性が書いたものです。
彼が言うmeine Freundin は「恋人の彼女」の意味ですか、それとも女友達の意味です
か?ドイツ語がこの区別がないと聞いたので悩んでます。
ネットで女性からの視点でmein Freund =彼氏 meine Freundin =私の(女)友達とあ
りました。
因みに男性が「僕の男友達、僕の友達、僕の女友達)」と表現すると何と言いますか?
「彼女」と「友達」ではかなり違って来るので、ご回答よろしくお願いします☆

gestern waren meine Freundin und ich mit Tom Taylor und seiner Freundin auf
der Rosefield County

返信1 返信-1
 2009/10/5 (月) 11:49:36 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1254641893.1
こんにちは。ご質問ありがとうございました。

> gestern waren meine Freundin und ich mit Tom Taylor und seiner Freundin
> auf der Rosefield County
> 彼が言うmeine Freundin は「恋人の彼女」の意味ですか、それとも女友達の意味ですか?

Freund と Freundin の意味するところは、たしかに「友だち」だったり「特定の恋人」
だったりしますので、Freund/Freundin そのものには意味の区別がなく紛らわしいです
ね。しかし、そのぶん、所有冠詞の mein- の部分が力を発揮します。mein- というの
は、実際には meine や meinen など、mein- のところに変化語尾が来ますので mein- と
いう形で記載しますが、意味としては「私の〜」です。この「私の〜」が、単なる「私に
とっての〜」という意味よりも、もう少し深く、「私に属するもの」という(文字通り
の)所有・所属を表します。たとえば、私の兄弟構成を知らない人に "Mein Bruder (英
語の my brother) ..." と文を切り出すとすると、それだけでもう相手はこちらに兄弟が
いることが分かってくれます。つまり、「私には兄がいて、その兄が・・・」とやらなく
ても「私の兄は・・・」と言うだけで「私には兄という密接な間柄の人がいる」というこ
とを含んでくれるわけです。
このように所有冠詞は、密接な間柄の人・モノに使います。そのため、mein Freund とい
うと「単なる友だち」というよりは「(家族に近い)ボーイフレンド」、meine Freundin
というと「(特定の恋人である)ガールフレンド」という意味になります。

ですから、今回の文にある表現の場合、「『私』は『私のガールフレンド』と、『トムさ
ん』は『トムさんのガールフレンド』と一緒に、そしてその上で、4人で行動を共にし
た」ということになりそうです。

> 因みに男性が「僕の男友達、僕の友達、僕の女友達)」と表現すると何と言いますか?

一般的に言って、男性が男性の友だちを指す場合には mein Freund といったとしても
「恋人」の意味は考えにくいので、mein Freund としても良い(あるいは、同じく女性の
視点で、女性の友だちを meine Freundin と言ったとしても恋人の意味には考えにくい)
ということになりますが、その場合も、性別にかかわらず、「友だち(のひとり)」とい
う人を指すときには、男性の友だちを指して ein Freund (von mir)、女性の友だちを指
して eine Freundin (von mir) と言うほうが無難です。カッコにいれたのは英語の "of
mine" で、「私の〜」を所有冠詞ではなく別の表現で表すわけです。これが、2つめのご
質問への答えになると思います。

なお、特別に「恋人」という間柄ではなくても、たとえば(同性で)「親友・ベストフレ
ンド」という場合、やはり所有冠詞の mein- を使います。男性が男性の親友を指して
mein bester Freund と言いますし、女性も女性のベストフレンドを指して meine beste
Freundin と言います。mein- を使ったら即恋人関係にあるというわけではなく、mein-
を使うことでその間柄がより密接に(お互いにより密接に所属しあう)なるということで
す。親友・ベストフレンドとは、数いる友だちの中でもっとも仲のよい友だちを指し、い
わゆる「唯一的な存在」です。文法的には「形容詞の最上級」を使うということでもあり
ます。

まとめると、話の主が Hans さん(男性)として、
Hans@: "Ich gehe morgen mit einer Freundin von mir aus, um ein Geschenk
für meine Freundin zu kaufen."
「明日、自分のカノジョにプレゼントを買うために、女の子の友だちに付き添ってもらっ
て出かける」
というのはあり得る状況だとしても、
HansA: "Ich gehe morgen mit meiner Freundin aus, um ein Geschenk für
eine Freundin von mir zu kaufen." 「明日、自分の女の子の友だちのひとりに
プレゼントするものを探すためにカノジョと一緒に買いに行く」のはやきもちをやかれる
かもしれません。

参考になれば幸いです。

Besuch haben :「客として僕んちに居る」と訳せる? 引用
  2009/8/28 (金) 07:35:01 - Opa - <uemurakz@pearl.ocn.ne.jp> - No.1251412501
久しぶりにご指導ください。(新職場如何ですか?)
Deutsche Sprachlehre für Ausländer ; Grundstufe in einem Band を久しぶ
りに読んでいたら下記の文章がありました。(直接話法から間接話法への転
換練習の直接話法の例文です)
Karl erzählt Hans,
„Fritz ist heute nicht zu Haus. Er fährt zu seinen Eltern, denn er muss mit
seinem Vater sprechen. Fritz hatte gestern noch Besuch und ist heute
früh abgefahren, nachdem er seinen Eltern ein Telegramm geschicket
hatte. Wir konnten gestern nicht mehr zu dir kommen, denn Fritz hat
seinen Koffer noch zum Bahnhof bringen wollen. " (以下略)
疑問部分は「Fritz hatte gestern noch Besuch ...」の訳です。
辞書ではたとえば Ich habe jetzt Busuch = 私は来客中である。といった風
に Ich の所へ他人が besuchen しているといった意味形態のようです。
私は上の例文の該当箇所を「昨日ならフリッツは客として僕(カール)の所に
居た」 と訳したいのですがあちこち探してもそういう用例(訳例)が見当たりま
せん。「フリッツには来客があった」とするしかないか「フリッツが僕んちに来て
いた」の訳が可能か教えていただけると幸いです。

返信1 返信-1
 2009/8/31 (月) 06:57:28 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1251412501.1
Guten Tag!

> 疑問部分は「Fritz hatte gestern noch Besuch ...」の訳です。
> 辞書ではたとえば Ich habe jetzt Busuch = 私は来客中である。といった風
> に Ich の所へ他人が besuchen しているといった意味形態のようです。

そうですね。ich habe... ですから、"ich の視点から見て「訪問(客)」がある" とい
うわけです。

Besuch haben や Besuch bekommen で「来客中である/訪問を受ける」といった表現とな
ります。

今回表現する文

> 私は上の例文の該当箇所を「昨日ならフリッツは客として僕(カール)の所に
> 居た」 と訳したいのですが

でしたら、動詞は sein になります(〜のところにいる bei jemandem sein が基本とな
る表現です)。この場合、zu Besuch sein という表現が使えます。Besuch は上の例でも
そうなのですが熟語的に使ってありますので無冠詞です。Hunger haben や Auto fahren
などと同様です。zu Besuch の zu は「〜のために」という意味のもので「訪問のため
に=訪問を理由に」という意味合いになります。

そこで、

> 「フリッツには来客があった」とするしかないか「フリッツが僕んちに来て
> いた」の訳が可能か

「フリッツが僕んちに来ていた」という表現は、次のようにすると良いでしょう(もちろ
ん、表現例はこのひとつだけではありません):

→ Gestern war Fritz bei mir zu Besuch. …(1)

なお、このような「目的の zu」の用法については、(1) の文を "Gestern war Fritz bei
mir, um mich zu besuchen." と比べてみるとわかりやすいかと思います。つまり、
「um+zu-構文」を「zu+動作を表す名詞」に変換していると考えれば良いですね。

新しい所属先でも、ドイツ語を選択・履修されているみなさんととても楽しくドイツ語の
勉強ができています。今も、一年生で4月からドイツ語を始めたばかりの人がドイツに関
心を持ってもらって早速夏休みを利用してドイツで語学学校+ドイツ旅行をされていま
す。ドイツ語の学習を通して、ことばの面白さ、異文化に自分の肌でふれる大切さを少し
は伝えられたのではないかと感じています。

返信2 返信-2
 2009/8/31 (月) 09:49:09 - Opa - <uemurakz@pearl.ocn.ne.jp> - No.1251412501.2
いつもながら素早い返信感謝いたします。
「僕んちに客として居た」は無理を承知でおたづねしました。
ストーリーの流れを勝手に創作して(?)独断訳をする癖が抜けません。
素直な逐語訳を心がけます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
バックナンバーには全部一通り目を通して記憶の引出しに収納したつもりです
が、いざという時に中々収納場所が思い出せません。
キーワード検索など、折角の過去ログを活用できるツールがあれば教えて戴き
たくおたづね致します。

返信3 返信-3
 2009/8/31 (月) 16:57:39 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1251412501.3
Guten Tag!

> ストーリーの流れを勝手に創作して(?)独断訳をする癖が抜けません。
> 素直な逐語訳を心がけます。

>> 「フリッツが僕んちに来ていた」という表現は、次のようにすると
>> 良いでしょう(もちろん、表現例はこのひとつだけではありません)

「表現例はこのひとつだけではありません」と書きましたのは、「(独断)訳」と書かれ
ている部分に関することではなく、ドイツ語の表現例がたとえば他にも "Gestern hat
mich Fritz {Fritz mich も可} besucht." などいろいろな可能性があるということを指
しています。ひょっとすると誤解されているかもしれませんので、念のため。

> いざという時に中々収納場所が思い出せません。
> キーワード検索など、折角の過去ログを活用できるツールがあれば

そうなのですよね。私も、ずっと前から、本質問箱にキーワード検索システムをつけたい
と思い、どうしようか模索しているのですが、今のところは手だてがわからず、検索ツー
ルなしでの運用をさせていただいております。おかげさまで質問と回答のデータがたくさ
ん蓄積できてきましたので、検索で過去のみなさんからの質問を閲覧していただけるよう
な仕組みが欲しいところです。なんとか考えてみます。ご意見ありがとうございます。

返信4 返信-4
 2009/9/1 (火) 08:50:50 - Opa - <uemurakz@pearl.ocn.ne.jp> - No.1251412501.4
丁重な御返事ありがとうございました。
キーワード検索の具体策がみつかると素晴らしいですね。期待します。
(本日ゲーテ[東京]の翻訳コンテスト課題テキストが発表されました。
「完訳すること」を第一目標にして毎回チャレンジしています。昨年は何とか訳
だけはできましたが精度は無茶苦茶でした。
今年も「まず完訳」を目指して68歳年金生の残暑しのぎ格闘の一か月をスター
トします)先生も新学期頑張ってください。

久しぶりの質問 引用
  2009/8/23 (日) 16:14:59 - 藤田伊織 - <mocfujita@aol.com> - No.1251011699
以前にも質問させていただいたような気もしますが、改めてお聞きしたいことがありま
す。文字あわせで、ROMAを逆さに読むとAMORですが、これはロベルト・シュー
マンがクララさんあての手紙で書いていたことです。私は、Kreislerianaの文字あわせ
を試みてきましたが、やっとドイツ語の文法が少しわかってきて、解決にたどり着いた
気がします。 Kreisleriana > Klara sei rein < Clara, be pure! です。
これで、よいでしょうか?

返信1 返信-1
 2009/8/23 (日) 22:49:55 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1251011699.1
こんにちは。
興味深いお話をありがとうございました。
"Kreisleriana" にこめられた意味については答えのわからない謎となっているようです
ので、今回お聞かせくださった説は可能性のひとつとしてとても有力に思えますね。
ただ、私自身はこの "Kreisleriana" についてあまり知識を持ち合わせませんので、こ
れ以上のコメントができませんがご了承ください。少なくとも "Klara, sei rein!" とい
う一文がドイツ語として自然であることはわかります。貴重なお話をありがとうございま
した。

返信2 返信-2
 2009/8/24 (月) 05:18:02 - 藤田伊織 - <mocfujita@aol.com> - No.1251011699.2
「 "Klara, sei rein!" という一文がドイツ語として自然であることはわかります。」
ありがとうございます。まずは、安心しました。クララさんは女性なので、
"Klara, sei reine!" でないといけないような気がしますが、いかがなものでしょう
か?私としては、その場合でも、クララさんはロベルトにとって、kindであって、言葉
の上では中性に扱われるのではないかと思っています。

返信3 返信-3
 2009/8/24 (月) 10:08:00 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1251011699.3
こんにちは。

> クララさんは女性なので、
> "Klara, sei reine!" でないといけないような気がします

形容詞が語尾変化をするのは、名詞を修飾する場合で(これを文法的には「付加語用法」
といいます)、その場合にはご指摘のとおり、その名詞(つまり形容詞の修飾対象となっ
ている名詞)が男性名詞・女性名詞・中性名詞のいずれであるかによって、また、どの格
(主語や目的語などの働き)で使うべきかによって変化をすることになります。たとえば、
 die reine Frau ('the pure lady')
 der reinen Frau ('of/to the pure lady')
などの -e や -en は、名詞が Frau (=女性名詞) であるための変化です。

それに対して、今回の場合("Klara, sei rein!" は、クララさんはたしかに女性ですが
Klara の部分は呼びかけであって形容詞 rein と直接的な結びつき(つまり、reine
Klara ('pure Clara') とするわけではなく、付加語的ではないという意味です。)はあ
りません。"sei rein" の部分は「純粋で(rein)あれ(sei)」という命令形になってい
て、rein は動詞 sein (ここでは命令形 sei に変化しています)の述語になっていま
す。これは形容詞の述語用法ですので、付加語用法ではない以上、たとえ対象が Klara
さんであることが明らかでも、文法上は rein という形容詞に性別による変化語尾は不要
なのです。
また、付加語的ではありませんので、クララさんを中性名詞扱いにしているとしても、や
はり形容詞 rein に語尾はいりません(もしもこれが付加語用法だったら reines Klara
('pure Clara') のように語尾がつきます)。

ですから、"Klara, sei rein!" という文を見たときに、この文は文法的に完全に自然で
あるといえます。

返信4 返信-4
 2009/8/25 (火) 07:16:43 - 藤田伊織 - <mocfujita@aol.com> - No.1251011699.4
明快な説明ありがとうございました。すっきりと理解できました。
クライスレリアーナはシューマンのピアノの名曲です。曲名が、クララが子どもの頃か
らのロベルトとの文字あわせ遊びに由来しているという仮説をたててみたものです。
http://www.geocities.jp/imyfujita/kreisleriana/page02.htm
単語の中に ge があったりして、辞書に出ていないなどと、まだ悩んでいます。英語
でもスペイン語でもフランス語でも辞書に探している単語が書かれていないことはめっ
たになかったので、ドイツ語では戸惑うことがたくさんあります。でも、だんだん面白
くなってきたので勉強を続けます。


返信5 返信-5
 2009/8/31 (月) 06:33:54 - 田中雅敏 - <mail@X-seminar.net> - No.1251011699.5
Guten Tag!

ドイツ語は「名詞+名詞」の複合語の場合、そのつなぎ目をなくしてしまって一語で書き
ますので、そのままの形で辞書をひいても載っていないことが多いです。そのため、複合
語は構成する単語に分解して、それぞれの意味を調べるという手続きが必要になります。
また、動詞や形容詞が格変化して語尾がつきますので、heißen のように -en という語尾
が付いていて、これは動詞(heißen:「〜と称する」)かと思えば、実は形容詞(heiß:
「熱い・暑い」)の変化形だった…ということもあるかもしれません(もっとも、文の構
造を見れば区別はできますが)。

ドイツ語は文構造を考えたり、語と語の結びつきを見るときに、いろいろと考えさせられ
ますが、とても論理的な仕組みになっていて、文の意味や語のつながりがわかったときに
はとても頭がスッキリします。今後も楽しくドイツ語の勉強を続けていただき、また疑問
点が出てきましたら、ご質問くだされば、わかる範囲でお答えできるかと思います。

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