ドイツ語質問箱

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kennen lernen 引用
  2005/1/19 (水) 10:03:06 - ssaito - No.1106096586
お願いします。テキストでは、

Ihr habt euch also in der Schule kennen gelernt.
( 君たちは学校で知り合ったわけだね。 )

の単語の説明で、 「 kennen lernen 」 が在り、意味は
「 知り合う 」 となっています。

(1) 動詞二つで一つの動詞になるのですか。
(2) このような例は他にもありますか。

※ 辞書を見ますと、

kennen|lernen〔他〕(人4と)知り合いになる、(事4の)
知識を得る.

とつなげて一個の他動詞としています。

返信1 返信-1
 2005/1/19 (水) 14:23:19 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106096586.1
> (1) 動詞二つで一つの動詞になるのですか。

「分離動詞」と呼ばれる動詞があるのをご存知だと思います。
【分離動詞】
 「基礎動詞」部分に、「分離前つづり」がついたもので、基礎動詞の意味合いに、
 さらに細かなニュアンスを加える
(例)gehen 「行く」 + aus- 「外へ(英語の out に相当)」 = ausgehen 「外出する」
   schlafen 「眠る」 + aus- 「〜しつくす(同上)」 = ausschlafen 「寝つくす」
   trinken 「飲む」 + aus- 「同上(同上)」 = austrinken 「飲み干す」
   kommen 「来る、行く」 + mit- 「一緒に」 = mitkommen 「一緒に来る、行く」
   kommen 「同上」 + an- 「接触」 = ankommen 「到着する」
 などなど、挙げればきりがありません。

答えを先に言うと、この kennen|lernen も分離動詞として扱うことになっています。辞
書に載っていたという

> kennen|lernen〔他〕(人4と)知り合いになる、(事4の)知識を得る.

この記載に、分離動詞の表記上の印である(|)が添えられていることでも分かると思い
ます。

上の記述に合わせると、lernen が「基礎動詞」の部分に相当し、kennen が「前つづり」
に対応しているわけです。もちろん、ご指摘のように kennen は動詞ですから、実際には
aus-, mit-, an- などのような副詞的なものとは区別されるべきものですが、「基礎動詞
にあるニュアンスを加える」という働きは同じと見ることができます。

つまり、ausgehen が、gehen 「行く」は行くでも、aus 「外へ」行くのだ、
これと同様に、lernen 「学ぶ」は学ぶでも、kennen 「知り」学ぶのだ

→ kennen|lernen 〜を知り学ぶ(=知り合いになる、知識を得る)

なお、「新正書法」というのがあって、たとえば短母音のあとの ss はエスツェットで書
くが、長母音や二重母音の後の ss は ss のままで書く、といった新しいルールを定めた
「正書法」のことはお聞きになったことがあるかもしれません。
kennen|lernen のように、2つの動詞が結びついたできた分離動詞は、元のそれぞれの動
詞を尊重して、分けて(半角スペースを空けて)書くことになっています。

新旧正書法対応例(便宜上、エスツェットをβ(ベータ)で書いています。ご了承くださ
い。本当は、こんなことはやりません。)

【旧正書法】 【新正書法】
 daβ     dass
 Fluβ     Fluss
 kennenlernen kennen lernen
 Schiffahrt  Schifffahrt
(※旧正書法では、同じ字母(ここでは f)が3つ並ぶときは、2つに減じていた)

ですから、kennen|lernen (kennenlernen)と表記するのは旧正書法によるもので、この
場合の過去分詞は kennengelernt となります(ひとつづきに書く)。
対して、今回のように kennen gelernt となっているのは、新正書法に従った書き方で
す。間に半角スペースを空けるとはいえ、kennen lernen も一種の分離動詞であることに
は変わりはありませんので、
(参考) Ihr lernt euch in der Schule kennen.
のように、lernt と kennen は分離します(<ここでは現在形の文例>)。

> (2) このような例は他にもありますか。

動詞が2つ並ぶのは、
 spazieren gehen (旧正書法 spazieren|gehen)「散歩する」
 spazieren fahren (同 spazieren|fahren)「ドライブする」
 sitzen bleiben (同 sitzen|bleiben)「留年する、売れ残る」
など、gehen, fahren, bleiben を使ったものが多いですね。

その他、Rad fahren (旧 rad|fahren)「サイクリングする」
    kaputt gehen (旧 kaputt|gehen)「壊れる」
    verloren gehen (旧 verloren|gehen)「失われる、なくなる」
    Eis laufen (旧 eis|laufen)「スケートをする」
など。特に、分かち書きをする新正書法では、名詞は大文字で書き始める原則に則ってい
ることにも注意。

お使いになっているテキストのほうは「新正書法に準拠」したもののようですね。
対して、辞書はひょっとすると「旧正書法」のものなのかもしれませんね。一冊、新正書
法に準拠したものがありますと、テキストとの対比もしやすいかもしれません。

返信2 返信-2
 2005/1/19 (水) 14:34:13 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106096586.2
補足ですが、ドイツ語の新正書法は、1998年8月1日から実施されている「正書法」
です。これには2005年7月31日までの移行期間が設けられています。
つまり、移行期間中は新旧どちらでも好きなほうを使うことができるが(ただし、一つの
文書中で一度旧正書法(もしくは新正書法)を使うと決めたら首尾一貫して使う必要はあ
る)、今年の8月1日からは、新正書法だけで書くことが法的には義務付けられることに
なるわけです。ただし、移行期間が近づいてきているこの段階でも、多くの新聞社や雑誌
出版社などで、新旧どちらの正書法を使うのか、立場は様々で、「うちは旧正書法を貫き
通す」と主張しているところもあるほどです。

実際に2005年7月31日になってみないと、この新正書法の本当の意味での行方は分
からないと言ってもよいかもしれませんね。

返信3 返信-3
 2005/1/19 (水) 17:27:27 - ssaito - No.1106096586.3
ドイツ語の一部変遷期についての御説明を有難う御座います。

見ましたら僕の使っている辞書は、 1978年3月10日 第5版
というものでした。
新正書法の、
> ・・・2005年7月31日までの移行期間が設けられて・・・
の猶予期限に間に合うようですので、これを機会に新しい辞書を買い
求めようと存じます。

返信4 返信-4
 2005/1/31 (月) 08:35:45 - ssaito - No.1106096586.4
先日、近隣の本屋さんで「 独和 」、「 和独 」とも
新正書法対応の辞書を取り寄せてもらいました。
一安心です。しかし、大分高価になってしまったのですね。
年金のお小遣いでは物入りでしたが、新しい辞書は心が
豊かになります。

※ ちょっと見てみましたが、訳語も以前のものよりなんと
なく平易な取り付きやすいものになっているような感じが
致しました。

返信5 返信-5
 2005/1/31 (月) 14:22:28 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106096586.5
 新正書法対応の新しい辞書を入手されたとのこと、最近の辞書は昔のものと比べて収録
語彙数も多くなりましたし、また時代に即した新しい語彙なども掲載されますので、今の
時代のキーワードといえる単語をきちんとおさえることができる利点がありますね。たと
えばコンピュータ関連語彙などは、少し古い辞書ではお目にかかることはできません。
 同じ単語でも、昔と今で使い方(意味)が違うような場合にも、新しい辞書でも昔の意
味も載せていますから、困ることはなさそうです。たとえば、若者が好んで使う "geil"
「すごい、すげー」という語は、元々は「好色の」といった意味でした。ですから、今で
も、年配の方々は、若者たちが geil! と言っているのを聞くにつけ、ぎょっとした感じ
で驚いています(さすがに随分まわりも慣れてきたというか、この用法も浸透してきまし
たが)。
 数ある独和辞書の中でも(これは別に宣伝ではありませんが)、『新アポロン独和辞
典』(同学社)という辞書は、なんと毎年改訂がなされています。たとえば、2005年
度版では、
・mailen 電子メールを送る(メールをする)
・Paralympics パラリンピック
・Biochip バイオチップ
など、130箇所におよぶ改訂・増補が行われたようです。ことばというのは、それぐらい
日々変化したり、新しい語が生まれたりするものだということでしょうね。

返信6 返信-6
 2005/1/31 (月) 20:59:46 - ssaito - No.1106096586.6
新しい辞書はやはりいいです。

女性の時代到来というところもあるのでしょうか、
語彙の表現がやわらかく、日常的な言葉遣いが前面に出て
いて、以前の辞書の訳語のように一旦噛み砕いて用いると
いうことも必要のないような、直接用いて即当てはめる
ことが出来るというか、和訳しやすい辞書になっている
ような気がします。

もう目も朧になって手元も定かではなくなって来ては、
ページを行ったり来たりして辞書も引きづらいなあと感じて
いたところ、この新しい辞書で最初の一語(なんだったか
忘れましたが)を引く時、ほとんど難なくすっと目標の
ページをめくれたのは嬉しい驚きでした。

返信7 返信-7
 2005/2/1 (火) 23:23:35 - Das Shiri - No.1106096586.7
こんにちは、

新正書法の事で心配なことがあるんですが、今年の5月で移行期間が終了するとの事ですが。
いわゆる正式な国語のルールが変わるということですよね?
だとすると語学試験でもやはり新正書法のみが有効になってしまうのでしょうか? たとえば、
GI,OeSD,DSH などのあちらの人達が行うもの、そして独検はこれからどのようになってします
のでしょうか? やはり全部覚えなおす必要があるのでしょうか?

返信8 返信-8
 2005/2/2 (水) 16:11:12 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106096586.8
はい、今年(2005年)の7月31日で旧正書法から新正書法への移行期間は終了する
ことになっていますね。実は、正書法に詳しい教授(Bonn大学)の講演会を聞く機会が
あったのですが、その中では「まだまだ新正書法への反対意見も強く、実際に新正書法が
完全にスタートするかどうか(旧正書法が完全に排除されるかどうか)はそのときにふた
を開けてみないとわからない」という話を聞くことができました。実際、メディアの中で
も、(新正書法に対する拒否の意思表示として)旧正書法で表記しつづけるところもあり
ます。いざ8月の時点にならないと正式な形が見えて来ないというのが本当のところのよ
うです。

ただし、特に大きな混乱もなく、当初の予定通り2005年8月1日から新正書法が完全
スタートした場合には、ご質問にあるような公的検定試験、また日本国内のドイツ語検定
(独検)や大学入学センター試験でも、新正書法のみが扱われることになるようです。

ドイツ語検定やDSH、OeSD などのサイトで調べてみましたが、正書法の取り扱いについて
の記述は見つけることができませんでした。しかし、大学入試センター試験では、「問題
作成部会」の見解として「ドイツ語新正書法に関しては、平成15年度1月実施のセン
ター試験から3年間の移行期間に入ることになっている。〔中略〕問題文はすべて新正書
法で書かれることになるが、新・旧正書法のつづりが異なっている場合には、該当の新正
書法による単語の真下に< >でくくる形で旧正書法による単語を書くという手法」で対応
されるようです。これは、平成18年度1月実施のセンター試験以降は、問題文を新正書
法のみでの表記に切り替える可能性を示唆するものです。
http://www.dnc.ac.jp/old_data/exam_repo/14/pdf/14hyouka61.pdf

返信9 返信-9
 2005/2/3 (木) 15:36:40 - Das Shiri - No.1106096586.9
やはり、八月になってみないとわからないのですね。自分としてはこれまで同様、両方ともokと
なってほしいです。

形容詞の変形 引用
  2005/2/1 (火) 21:32:57 - ssaito - No.1107261177
お願いします。

形容詞の名詞化に付いては一度お伺いしていますが、
振り出しに戻って基本的なところを再度お聞きします。

In der Zeitung steht nichts Interessantes.
( 新聞には面白いことは何も載っていない。 )

の Interessantes は変形していても
(1) なお nichts( 代名詞 ) にかかる形容詞ですか。
( 英語の something new などの形からの連想 )
(2) ニ格ですか。
(3) 大文字で書き始めるからにはやはり名詞で
nichts Interessantes で名詞句?などというものですか。
(4) 代名詞と名詞が並んでいて、どちらかがどちらかに
掛かるという主従はありますか。

返信1 返信-1
 2005/2/2 (水) 17:18:30 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107261177.1
はい、この場合の Interessant- は、形容詞 interessant が名詞化されたもので、名詞
化されていることは、ご指摘のとおり「大文字で書き始め」られていることからも分かり
ます。

従って、nichts Interessantes や etwas Interessates などの形では、「(代)名詞+
名詞」の構造になっています。

(nichts) Interessantes の 語尾 -es は、2格の名残です。つまり nichts Neues は、
元来、「新しいもの(= Neu-) のうちの(= 2格)何でもない(= nichts)」という意味
で、etwas Neues なら「新しいものの何か」という意味でした。

しかし、これは元来の話で、実際は、「何か面白いこと」「1つの面白いこと」というと
きに ein Interessantes と言いそうですが、そうは言わずに etwas Interessantes と言
うということです。ここでは etwas の部分を nichts にしても同じですが、格変化は次
のようになります。

1格 etwas Interessantes ----------- Steht etwas Interessantes in der Zeitung?
                   「何か面白いことが新聞に出てる?」
2格 etwas Interessanten (非常に稀)
3格 etwas Interessantem ----------- Ich sehne mich nach etwas Interessantem.
                   「私は何か面白いことに憧れる」
4格 etwas Interessantes ----------- Hast du etwas Interessantes?
                   「何か面白いことある?」

つまり、ちょうど etwas = ein のような形容詞変化をするわけです。

つまり、話はややこしいのですが、

 「etwas + 名詞化された形容詞」

という組み合わせは、その結ぶつきそのものは「(形容詞が名詞化された)名詞の2格」
の力によるものですが、これは団子の“つなぎ”のようなもので、結びついてしまったあと
は、それぞれの格に応じて、本来の形容詞の格変化をする、という非常にややこしいこと
になります。

まとめとして、質問にお答えしますと:

> Interessantes は変形していても
>(1) なお nichts( 代名詞 ) にかかる形容詞ですか。
>( 英語の something new などの形からの連想 )

いえ、(もはや)形容詞ではなく、名詞(化された名詞)です。もし形容詞ならば、
"interessantes etwas" となります。実際、そのように言う場合もあります。たとえば、
そのモノの名前を度忘れして、「ちょっとそこの…赤いやつ取って!」などという場合、
"rotes etwas" という言い方もできます。

>(2) ニ格ですか。

元来、2格でした。etwas との結びつきに必要な“つなぎ”の力です。しかし、etwas
Interessant- 全体で、さらに必要に応じた格変化をします。

>(3) 大文字で書き始めるからにはやはり名詞で
> nichts Interessantes で名詞句?などというものですか。

はい、その通りです。大文字で書き始める Interessant- は名詞で、nichts
Interessantes 全体で名詞句となります(=「(代)名詞+名詞」の形)。

>(4) 代名詞と名詞が並んでいて、どちらかがどちらかに
> 掛かるという主従はありますか。

代名詞と言っても、このような構造が可能なのは nichts, etwas といった【不定代名
詞】だけではないでしょうか。人称代名詞を使って、"sie meines Freundes" 「僕の友達
の彼女」などとは言えません。不定代名詞と名詞が結びつくような今回のような構造で
は、“結びつけるための何らかのつなぎ”が必要で、その“つなぎ”がまさしく「2格」の存
在です。ご存知のようにドイツ語の2格は、後ろから前に向かって修飾しますので、「名
詞の2格が、不定代名詞に(後ろから)かかる」という関係が観察できるかと思います。

参考になれば幸いです。 (田中)

返信2 返信-2
 2005/2/2 (水) 20:48:02 - ssaito - No.1107261177.2
返信有難う御座います。

> etwas Interessant- 全体で、さらに必要に応じた
> 格変化をします。

ですが、例文からしますと 中性名詞 で変化するのですか。

返信3 返信-3
 2005/2/3 (木) 01:35:52 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107261177.3
> 例文からしますと 中性名詞 で変化するのですか。

はい、etwas は「何かのモノ」ですので、「何か一般的なモノ」といえば中性名詞です。
男性名詞、女性名詞、中性名詞を指す形容詞を、文法用語で

(男性)maskulin
(女性)feminin
(中性)neutral --- 「中立の=中性の」ということで分かりやすい

と言いますが、もう一つ、

(男性)maennlich --- Mann より
(女性)weiblich --- Weib より
(中性)saechlich --- Sache より

という言い方もあります。この中性名詞の saechlich は、Sache 「モノ・事柄」という
名詞から派生した形容詞で、このことからも、中性名詞は「一般的なモノ(何か不定のモ
ノ)」を表すときに使われるということが分かるかと思います。

返信4 返信-4
 2005/2/3 (木) 09:04:28 - ssaito - No.1107261177.4
応答有難う御座います。

解りました。

わかりません 引用
  2005/2/1 (火) 16:43:39 - YUKI - No.1107243819
よくわからないので教えてください。
例えば、Haben Sie schon mal einen Ausl&auml;nder zum Essen eingeladen?
という質問に答えるときは
Ja,ich habe einmal einen eingeladen.でいいでしょうか?
あと、Haven Sie schon mal ins Ausland gegangen?
みたいに場所のときはどうすればいいのでしょうか?



返信1 返信-1
 2005/2/1 (火) 18:09:56 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107243819.1
こんにちは。
はい,これでも良いのですが,普通は

 Ja, einen habe ich einmal eingeladen.

という語順になると思います。einen はもちろん einen Auslaender の省略ですので,い
わば質問文と答えの文で繰り返されています。このように,質問文で言及されたことを繰
り返して用いる場合,それらは文頭に来ることが多いです。

(例) Was hast du morgen vor? 「明日はどんな予定?」
    ― Morgen gehe ich mit Freunden aus. 「明日は,友達と出かけるよ」

    Kommst du jeden Tag mit dem Bus zur Uni?
     「毎日,大学へはバスで来てるの?」
    ― Nein, mit dem Bus komme ich nur sehr selten.
     「いえ,バスで来ることはほとんどないよ」

ですから,1つの(自然に響くと思われる)答え方の例としては,

 Ja, einen habe ich schon mal eingeladen.

です。これは,「そう,外国人なら,一度招待したことがあるよ」というニュアンスです。
もちろん,もっと自然に答えるとすると,質問で「外国人」と問われているので,答えの
文で「どこの国の人」かを添えると良い場合もあります。「外国人を招待」という話をし
ているのですから,その次の質問として「それはどこの人?」という質問が来ることも十
分考えられますので,先に答えてしまう形になりますね:

 Ja, einen Italiener habe ich eingeladen.
 Ja, ich habe einen Italiener eingeladen.

これは,たとえば

 Kannst du Englisch?
 ― Ja, ich kann Englisch und auch Chinesisch. とか,
 ― Nein, aber ich kann Spanisch.

のように,問われたことを「はい」「いいえ」で答えて終わり・・・とするのではなくて,
ちょっと補足して答えるのと似ています。

ちなみに,

> Ja, ich habe einmal einen eingeladen.でいいでしょうか?

この語順ですと,einen (Auslaender) は,質問文から引き継いで繰り返しているという
感じではありませんので,むしろ「1人」という「数(人数)」が強調されてくると思い
ます。ですから,

(参考) Ja, ich habe einmal nur einen eingeladen.
      「はい,以前,1人だけなら招待したことがありますよ」

というように "nur" を添えると,ぐっと響きがよくなることからも予測できます。また,

 Wie viel Auslaender haben Sie schon zum Essen eingeladen?
   「食事に招待したことのある外国人は何人ぐらいですか?」
 ― Ich habe einen eingeladen. 「1人です」

というのも,同じようなものです。

> あと、Haven Sie schon mal ins Ausland gegangen?
> みたいに場所のときはどうすればいいのでしょうか?

動詞が gehen (gegangen) のとき,その現在完了形には,助動詞を sein にすることに
なっています。gehen だけでなく,kommen, fahren, reisen など「移動」を表すような
動詞群では完了形の助動詞は sein なのです(「移動」を表す動詞以外にも,「変化」を
表すような動詞群もそうですが,ここでは触れないでおきます)。

○ Sind Sie schon mal ins Ausland gegangen?

同じ意味を表す質問文として,sein (本動詞として)を使ったものもあります(sein の
過去分詞は gewesen で,助動詞は sein です):

○ Sind Sie schon mal im Ausland gewesen?

これらも,普通は "Ausland" をただ単に繰り返して用いるのではなく,「どこの国」と
いうのを添えて答えることが多いと思います。たとえば,

 ― Ja, ich bin nach Frankreich gegangen.
 ― Ja, ich bin in Frankreich gewesen.

"Ausland" を答えの文で省略するには?というのがご質問の意図だと思われますので,何とか

 ins Ausland = dorthin (dort + hin そこ + へ)
 im Ausland = dort

で置き換え可能かもしれません。

 ― Ja, dorthin bin ich mal gegangen.
 ― Ja, dort bin ich mal gewesen.

ただし,「外国」というのは「自国以外の国すべてをひっくるめた」表現ですので(その
証拠に単数形扱い),「どこ」とは特定されていません。ですから dort/dorthin という
副詞で置き換えるのは難しいかもしれません。かと言って,他に手段はなさそうですの
で,可能性としては dort/dorthin で代用するか,あとは上で挙げたように具体的な国名
をもって答える,ということが考えられるでしょう。

参考になれば幸いです。 (田中)

返信2 返信-2
 2005/2/1 (火) 18:40:30 - YUKI - No.1107243819.2
ありがとうございます。
とても丁寧な説明でわかりやすかったです。

wennの省略について 引用
  2005/1/31 (月) 02:44:01 - コロ - No.1107107041
お世話になっております。

現在使用中の教科書(『Unterwegs』)の中に意味がのみこめない
箇所があるので、お教えただけましたら幸いです。

Setzt sich dieser Trend fort, wird sich die Zahl der Menschen pro Haushalt
weiter dramatisch verringern.

という文なのですが、
「この傾向が続けば世帯あたりの人数は激減するだろう」
という訳し方でよいのでしょうか。

最初の文にwennが省略されているのか、いまいち文の構造が飲み込めません。
Wennは仮定法の場合のみ省略可能と勝手に理解していたのですが
仮定法以外の文でもwennが省略できるのか、それともこの文章は
私の考えている意味とまったく別なのかご教授いただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。

返信1 返信-1
 2005/1/31 (月) 14:24:20 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107107041.1
こんにちは。
はい、「wenn の省略」は、接続法(仮定法)の場合だけでなく、直説法でも登場しま
す。ですから、疑問文でも命令文でもないのに定動詞が文頭にあったら、この「wenn の
省略」ではないかと思ってください。

(例)Hast du Mut, so spring runter! (バンジージャンプなどで)「勇気があるなら
飛べ!」
   Bist du alt, gehorche deinen Kindern! 老いては子に従え!(ことわざ)

もちろん、これらは "Wenn du Mut hast, [...]"、"Wenn du alt bist, [...]" と同じです。

ですから、

> Setzt sich dieser Trend fort, wird sich die Zahl der Menschen pro Haushalt
> weiter dramatisch verringern.

> 「この傾向が続けば世帯あたりの人数は激減するだろう」
> という訳し方でよいのでしょうか。

はい、まさしく「wenn の省略」を正しく把握した訳になっていますので、この訳しかた
で良いですね。なお、weiter がありますので、「引き続き」というニュアンスを加え
て、「世帯あたりの構成人数は引き続き目に見えて減っていくだろう」という感じでも良
いかもしれませんね。

返信2 返信-2
 2005/2/1 (火) 00:11:56 - コロ - No.1107107041.2
命令文では説明がつかなかったらwennの可能性がかなり高いのですね。
最近文法の穴がひょこひょこ見つかって、はてどうしたものかと思っています。
接続法を仮定法と言ってしまう癖もなおさないといけないですね(笑)

ご説明ありがとうございました!

命令文について 引用
  2005/1/30 (日) 13:59:12 - あいこ - <メール送信> - No.1107061152
命令文中にコンマがあったら、その後ろの語順はどうなるのですか?Komm nach Hause,
bevor の後に es wird dunkel. と続けてよいのでしょうか?

返信1 返信-1
 2005/1/31 (月) 14:22:49 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107061152.1
こんにちは。お便りありがとうございます。

命令文と組み合わせる文の語順についてですが、結論から言いますと、命令文の後ろにコ
ンマがあって、さらに次の文が続いている場合には、その文(つまり後続する文)が「ど
んな種類の文」なのかによって、語順を使い分けることが大切だと考えてください。

> 命令文中にコンマがあったら、その後ろの語順はどうなるのですか?

細かいルールは下で説明するとして、まず3つだけ、命令文の後ろに種類の違う文を持っ
てきてみますので、語順がどのようになっているか、観察してみてくださいね。

(1) Komm nach Hause, und du sollst deine
Hausaufgaben machen.
  「家に帰ってきなさい。そして(あなたは)宿題をやらないといけないよ」

(2) Komm nach Hause, sonst gibt es was.
  「家に帰ってきなさい。そうしないと何かあるよ(=おしおきだよ)」

(3) Komm nach Hause, bevor es dunkel wird.
  「家に帰ってきなさい。暗くなる前に」

3つの文で、命令文の部分は共通です。そしてコンマがあって、次の文が続いているわけ
ですが、赤い字で書いたものが、実はその後ろの部分の語順を決める影響力を持っています。
語順が違うことをはっきりさせるために、下線を引いた【定動詞】部分に注目していただ
ければ良いと思います。

つまり、(1):(ごく普通の)平叙文と同じ語順(定動詞第2位)、(2): 副詞が先頭に来
ているため、主語と定動詞は倒置している(定動詞第2位)、(3): 定動詞後置(副文の
大きな特徴のひとつで、定動詞は文末に来る) という違いがありますね。

そこで、@標準的な平叙文の語順、A「定動詞―主語」の倒置状態、B定動詞後置、の3つに
区分して、改めて語順のルールを見てみます。

@「主語―定動詞」:
 前の文に続いて置かれる文が、und, aber, oder などの「等位接続詞」によって導かれ
る場合には、語順はごく普通の平叙文と同じ語順。
 ※ここで「ごく普通の」と書いたのは、普通に我々が【平叙文】と聞いたときに思い浮
かべる語順で良いという意味です。たとえば、普通の平叙文では、定動詞をしっかり第2
位にさえ置いておけば、目的語と主語を入れ替えたりすることも可能でしたね。
 (例)Komm nach Hause, und deine Hausaufgaben sollst du machen.
  「家に帰ってきなさい。そして、宿題を(あなたは)やらないといけないよ」
●要するに、und, aber, oder などは、「後ろの文の語順に影響を及ぼさない」というこ
とです。

A副詞が先頭に来ているため、主語と定動詞は倒置している:
 上の@で述べた und や aber の位置に、sonst, allerdings などの【副詞】が来る場
合、この場合には、定動詞と主語は*必ず*入れ替わり、主語はいわば第3位に来ます。こ
れは、もちろん【定動詞第2位の原則】によるもので、第1位=副詞、第2位=定動詞、
そして第3位=主語、という語順しかありえません。@の場合は、主語はもちろん最初
(第1位)に来ても良かったのですが、このAでは、第1位には副詞という“先客”がいます。
●要するに、後続する文が副詞で始まる場合には、定動詞は第2位を守りつつも、主語が
後ろに来る倒置構文になる。

B定動詞後置:
 これが、結論としては、ご質問の

> Komm nach Hause, bevor の後に es wird dunkel. と続けてよいのでしょうか?

の答えとなるものですが、bevor, nachdem, weil, obwohl などの「従属接続詞」と呼ば
れる接続詞が来た場合には、定動詞は後置されるのです。日本語で言うところの「〜する
前に」「〜した後で」「〜だから」「〜なのに(にも関わらず)」「もし〜ならば」など
は【接続助詞】と呼ばれ、ドイツ語でも今挙げたようなものは【従属接続詞】と呼ばれて
います。
●従属接続詞ではじまる文においては、定動詞は末尾に来る。

(例)Ich bleibe zu Hause, weil es heute regnet.
   Ich bleibe zu Hause, wenn es morgen regnet.
   Komm nach Hause, bevor es dunkel wird.

つまり、コンマの後に文が続く場合、その文が「どんな種類の文」なのかによって、その
語順は変わってくるということになります。

さて、ここまでで、3つの語順のルールを確認することができたわけですが、そもそもの
ご質問には“命令文中にコンマがあったら”と書かれていますので、これは自然と、Bのパ
ターンだけを指すことになるでしょうね。@とAにおいては、あくまでも命令文があって、
その命令文を受けて、「Aをせよ、そしてBだ」「Aをせよ、そうしないとBだ」という
構造になっていますが、Bだけは「Bである前にAをせよ」のように、BはAの命令文の
中に組み込まれているわけですので、ご質問に忠実にお答えするならば、

> “命令文中”にコンマがあったら、その後ろの語順はどうなるのですか?

●定動詞を後置してください。

> Komm nach Hause, bevor の後に es wird dunkel. と続けてよいのでしょうか?

●いえ、"Komm nach Hause, bevor es dunkel wird!" としてください。

というのが答えになるでしょう。ただし、せっかくですので、@ABの3つのパターンがあ
るんだな、ということも併せて意識していただければと思います。 (田中)

命令文? 引用
  2005/1/30 (日) 22:04:30 - ssaito - No.1107090015
お願いします。

ラジオドラマ中のナレーション部分ですが・・・

Die Geshichte ist ziemlich compliziert,
aber sehr interessant.
Hoeren wir mal zu.
( 話は大分込み入っているいるけど、おもしろいから
ぼくたちも聴いて見ることにしよう。 )

ですが、二番目の文章は命令文なのですか。
自分の側にも命令することができるのですか。

※ 命令文は du, Sie, ihr, (複数の)Sie に対して
だけかと思っていたものですから不思議に感じたのです。

返信1 返信-1
 2005/1/31 (月) 00:51:54 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107090015.1
( compliziert → 正しくは kompliziert )

こんにちは。
はい、wir を主語にして命令文を作ることもできます。ただし、「自分たち」に向けて
“命令”するのはちょっとピンときませんよね。ですから“提案”というような位置づけで考
えれば分かりやすいと思います。「聴いてみることにしましょうよ。聴いてみましょ
う、聴きましょう」などという感じ。

他にも "Fangen wir jetzt an!"(さて、始めましょう) "Hier machen wir Pause!"(こ
こらで休憩しましょう)などと、いろいろな場面で使われます。

なお、似た表現として、英語の let's (= let us) に対応する lass uns / lassen Sie
uns / lasst uns 〜 というのもあります。lass は du に対する命令(提案)、lasst
uns は ihr に対するもの、lassen Sie uns は Sie に対する命令(提案)の形式です。
この場合、「私たち」というのは uns という形で表現されます。「私たちに〜させてく
ださい」=「〜しましょう」という提案になるわけです。

Lass uns so machen! 「そうすることにしよう!」
Lass uns uns am Freitag treffen! 「金曜日に会おうよ!」(uns が2つあるのは間違
いではありません。最初の uns は lass uns の構文としてのもので、2番目の uns は
sich treffen の再帰代名詞としてのものです)

以上のように、命令(提案・要求)には、「私たち」に対するものもあるというわけで
す。その際、形式としては wir の場合と、(lassen) uns の形式があります。

なお、"Hoeren wir mal zu!" と "Lass uns mal zuhoeren!" の使い分けですが、前者の形
式のほうが「〜しよう!」と言いつつも、すでにやる気満々の場合。「聴いてみることに
しましょう」という発言の時点で、“我々がそれを聴く”のは決まっていて、誰からも「い
や、止めておこう」と(反対の)提案は出ません(その余地はない)。それに対し、後者
は、あくまでも提案に過ぎないのですから、「ちょっと聴かせてくれない?聴くことにし
ない?」との提案に対し、「ちょっと待って」などと誰かから待ったがかかる余地は残さ
れています。

返信2 返信-2
 2005/1/31 (月) 05:41:22 - ssaito - No.1107090015.2
※ つづりを間違えまして、相済みませんでした。
( つい英語が出てしまいます。 )

御説明解りました。
提案でも強弱といいますか、意味・意思が違うところを
形にはっきり表わすのですね。

再帰動詞 引用
  2005/1/23 (日) 20:12:12 - ssaito - No.1106478533
お願いします。

sich(4) + an + etwas(4) + erinnern
sich(4) + fuer + etwas(4) + ineressieren
sich(4) + ueber + etwas(4) + freuen
sich(4) + auf + etwas(4) + freuen
・・・

などとどの位あるでしょうか、ドイツ語には再帰動詞が頻出しますが、
なかなか慣れなくて奇異に感じています。

これは大袈裟になりますが、ゲルマン民族の何らかの体質の象徴なの
でしょうか。
例えば支配欲とか・・・部内に対するものですが・・・。
何か研究例はありますか。

返信1 返信-1
 2005/1/23 (日) 23:44:30 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106478533.1
こんにちは。
再帰動詞が、「再び自分(たち)に戻ってくる」ので、つまりは「内部のものを支配して
おきたい」という潜在意識が(歴史的に)働いてきたのか? というご質問ですね。なる
ほど、面白い説です。
ただ、私は「言語と文化の相関関係」についての研究には詳しくありませんので、ここで
は歴史言語学(っぽい)観点から見てみることにします。

その前に、再帰動詞は、ゲルマン語だけに見られるものではないということを、まず見て
みる必要があります。再帰代名詞は、ドイツ語やオランダ語に代表されるゲルマン語族の
他にも、スペイン語・イタリア語・フランス語が所属するロマンス語族、それからロシア
語やポーランド語のスラブ語族などでも見ることができます。以下、少しだけ例を挙げて
おきます(ウェブ上で見つけてきた例です):

【スペイン語】
 El sol *se pone* bajo el horizonte. 太陽は沈む(太陽は自身を地平線の下に置く)。
    (自らを置く)
【イタリア語】
 *Mi alzo* presto ogni giorno. 私は毎朝早くに起きる(私は私自身を起こす)。
 (自分を起こす)
【フランス語】
 *Tais-toi*! 静かにしなさい(君は、君自身を黙らせなさい)
 (自分を黙らせる)
【ロシア語】
 У Jajцу *се налази* водопад Пливе.
 プリヴァの滝はヤイツェで見られます。
(直訳:プリヴァの滝はヤイツェで自らを見ます。)
【ポーランド語】
 Chodzmy *sie napic* herbaty. お茶を飲みに行こうよ(私たち自身にお茶を飲ませに
行こう)
   (自分に飲ませる)

ここからが本題ですが、再帰動詞は、歴史的には、受動態と深く関わってきます。たとえ
ば、ドイツ語で

(1) Ich lese das Buch. 私はこの本を読んでいる。

を受動化すると、

(2) Das Buch wird (von mir) gelesen. この本は(私によって)読まれる。

となります。これと似た構文で、【中間構文(中動態)】というのがあって、用語はどう
でも良いのですが、

(3) Das Buch liest sich leicht. この本は簡単に読まれる(=この本は読みやすい)。

という構文があります。この (3) が、広い意味での再帰構文です(sich という再帰代名
詞があるので)。このタイプでは、leicht(容易に)や gut(良い)などの副詞を伴うこ
とが多いことを添えておきます。(例: Kyoto wohnt sich gut. 京都は住みやすい)

中間構文というのは、(3) を (1) と (2) の中間に位置付けるところから来ています。
(1) は完全なる使役構文で、「XがYを〜する」。(2) は完全な受動構文で「YがXに〜
される」という意味です。
本来、Kyoto wohnt sich gut. の wohnen のような動詞は自動詞ですので、受動態にはで
きません(※ Es wird in Kyoto gut gewohnt. 京都では良く住まわれる と言えることは
いえますが…、とりあえず無視します)。すると、自動詞を受動的に(もちろん形式は受
動態ではない)表すための構文が必要になります。そこで中間構文が発達しました。さら
に、以下で述べるように、この中間構文が再帰構文へと結びつく流れがありますので、再
帰構文が発達した言語には「何かの支配欲がある」のではなく、自動詞の受動的な表現方
策が歴史的に生み出されてきた結果なのだ、と説明するほうが良いということになるかも
しれません。
(なお、英語にも中間構文はあります。This book sells well. この本はよく売れる。し
かし、再帰代名詞は使いません(ドイツ語の Das Buch verkauft sich gut. と比較して
みてください)。その意味では、「再帰代名詞を方策として用いる中間構文は発達しませ
んでした。そこで、再帰代名詞もあまり発達しないまま今日に至ります。)

歴史的には、この「中間構文の発達」が、再帰構文の発達に結びつきます。
中間構文は、上の例の「京都が自らを上手に住まわせる」などの文構造からも分かるよう
に、動詞の表す動作が主語自身に帰ってきます(=再帰)。ここで、一旦「目的語=主
語」の構図ができるわけです。ここから、受動態で「(能動態の)目的語が、(受動態
の)主語へと転じる」という変形の前身(面影)を見ることができるのです。

つまり、
 使役的他動詞構文 → 中間構文 → 受動構文

他の例で検証すると、

(4) Ich oeffne die Tuer. 私はそのドアを開ける。 (使役的他動詞構文)
(5) Die Tuer oeffnet sich. そのドアは開く。 (中間構文)
(6) Die Tuer wird (von mir) geoeffnet. そのドアは開かれる。 (受動構文)

そこで、乱暴に言ってしまうと、再帰代名詞を用いた中間構文のある言語では、偶然より
はるかに高い確率で再帰構文があることも説明できます。たとえば、先の「この本は読み
やすい」という文は、再帰構文を持つフランス語でもやはり可能です:

(7) Ce livre *se* lit facilement. この本は読みやすい。

このような中間構文の発達が、今回の再帰構文の発達に大きく影響しているということです。

例に挙げられている sich freuen 「喜ぶ(←自らを喜ばせる)」で、最後にもう一つ検証
します。

(8) Er freut sich ueber ihren Brief. 彼は、彼女の手紙に喜んだ。 (再帰構文)
(9) Er freut sich leicht. 彼は簡単に喜ぶ(彼はすぐに喜ぶ性格だ)。 (中間構文)

ドイツ語で用いられている再帰動詞ひとつひとつを、このように中間構文に対応させるこ
とが果たしてできるのかは疑問ですが、それでも大部分において、その背後には中間構文
の存在があることは確かです。

内容が内容だけに、ちょっと言語学的な難しい説明になってしまいました。不明な点があ
りましたら、折り返しご質問いただければ幸いです。 (田中)

返信2 返信-2
 2005/1/24 (月) 14:07:54 - ssaito - No.1106478533.2
詳細な御説明有難う御座います。

再帰構文はドイツ語だけのものではなかったのですね。

> ・・・中間構文が再帰構文へと結びつく流れがありますので、
再帰構文が発達した言語には「何かの支配欲がある」のではなく、
自動詞の受動的な表現方策が歴史的に生み出されてきた結果・・・

中間構文( 自動詞的であるが広義での再帰構文 ):
Er interessiert sich leicht. ( 彼は好奇心が強い。 )
Ich erinnere mich viel. ( 僕には思い出がたくさんある。 )

が、

再帰構文:
Er interessiert sich fuer Mathematik. ( 彼は数学に興味を持っている。 )
Ich erinnere mich noch an den Urlaub. ( 僕はまだあの休暇のことを覚えている。 )

などとなるのである、という理解で良いでしょうか。

返信3 返信-3
 2005/1/24 (月) 15:30:44 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106478533.3
今回は、言語の歴史という面から見たダイナミックな話だっただけに、難しい説明になっ
てしまいましたが、きちんと理解していただいてホッとしました。

> 中間構文( 自動詞的であるが広義での再帰構文 ):
> Er interessiert sich leicht.( 彼は好奇心が強い。 )
> Ich erinnere mich viel.( 僕には思い出がたくさんある。 )
> が、
> 再帰構文:
> Er interessiert sich fuer Mathematik.( 彼は数学に興味を持っている。 )
> Ich erinnere mich noch an den Urlaub.( 僕はまだあの休暇のことを覚えている。 )
> などとなるのである、という理解で良いでしょうか。

はい、まさしくその通りです。

返信4 返信-4
 2005/1/24 (月) 16:38:58 - ssaito - No.1106478533.4
authorization 有難う御座います。

ホッとして頂いて、僕もホッと致しました。

r の発音 引用
  2005/1/21 (金) 08:47:18 - ssaito - No.1106264838
お願いします。

NHKラジオドイツ語講座を聴いているのですが、毎週金曜日は
応用編で「 歌で楽しむドイツ語 」というのをやっています。
知っている歌は一緒に歌ったりしているのですが、聞いていますと
どの歌手も大抵、

mir:ミール
dir:ディール
hier:ヒール

などのように歌って、 ミア、ディア、ヒア とは歌わない
ようです。 r については歌うときは皆さんみんなこういう発音
をなさるのですか。

返信1 返信-1
 2005/1/22 (土) 11:30:39 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106264838.1
こんにちは。今回のご指摘の

> mir:ミール
> dir:ディール
> hier:ヒール

のように、r が語末に来た場合は、半母音(「ァ」)で発音することがほとんどです。
 Tor トァ Pferd プフェァト Spur シュプァ mir ミァ
また、語末の -er も、アクセント(強勢)がない場合は「ァ」になります:
 Vater ファーター Lehrer レーラー Spieler シュピーラー

そういう意味では、mir ミール というのは、より「歌の種類(たとえば、今でも、『歓
喜の歌』では、巻き舌の r がおなじみですね)」や「地域差(オーストリアやドイツ南
部のほうに行くと、より頻繁にこの「ル」を耳にできる、など)」の要因が大きいものです。

それ以外の要因としては、話す人(歌う人)の年代というものも考えられるかもしれません。
古い時代のドイツ語では、r は巻き舌(「ル」)で発音されており、たとえば、日本のド
イツ語の教員でも、一定以上の年齢の先生は「ル」で発音されることが多いです。実際、
私も、最初にドイツ語を習ったときの先生(当時、退官間近)が、授業中に私を指名する
とき、
 Herr ヘル Tanaka
と発音されていました。ただ別の授業(ドイツ人母語話者によるもの)では
 Herr ヘァ Tanaka
と言われ、すぐに、「なるほど Herr ヘァ と ヘル はどちらでも良いのだな」と思い
至った覚えがあります。

また、余談ついでに、語末ではない r も、半母音で読む場合があります。こちらは、
「語末の r」として考えるのではなく、「音節末の r」だと考えれば、上記の Tor など
と関連付けることが出来ます(Mor-gen モァ-ゲン)。ただ、こちらは、巻き舌の「ル」
もよく耳にするパターンといえます。
 Guten Morgen モルゲン / モァゲン(または、モーゲン)
 lernen レルネン / レァネン
 irgendwo イルゲントヴォー / イァゲントヴォー
など、ごくごく一般的に、たくさんありますね。私は個人的に、右のタイプで発音してい
ますが、もちろん左の「ル」の発音もよく耳にします。

返信2 返信-2
 2005/1/22 (土) 12:44:11 - ssaito - No.1106264838.2
返信有難う御座います。

ル、ア 両方とも現役なのですね。

ラジオで取り上げられている歌は、ほとんどがクラシカルな歌曲とか
昔懐かしい歌などですので、 r を ル と発音されているのである
と理解致しました。

zu dritt 引用
  2005/1/18 (火) 16:31:50 - ssaito - No.1106033510
お願いします。

テキストに、
Nun sind sie zu dritt im Restaurant.
( いま、三人はレストランにいる. )
また辞書には、
Wir waren zu dritt.
( 我々は三人であった. )

とありますが、

(1) dritt:第3(番目)の という形容詞に zu という
前置詞がついてどうして上の意味になるのですか。
(2) 前置詞+形容詞 でまとまった意味を持つということが
あるのですか。

返信1 返信-1
 2005/1/18 (火) 20:06:01 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1106033510.1
このような場合の zu は、「配分」を表すと説明されています。

「配分」というぐらいですから、この場合の zu は、「数量」的な表現になるというわけ
です。主な機能を挙げますと:

(1)分量(配分される分量)
  zum Teil 「部分的に」「一部分は」
  zu 2 % 「2パーセントだけ」
  zur Haelfte 「半分だけ」
(2)代価(配分される価格)
  Man kann mit dieser Vorwahl jederzeit zum halben Preis im Festnetz telefonieren.
   「この番号を前に付ければ、いつでも固定電話料金が半額になります」
  zehn Briefmarken zu 2 Euro 「2ユーロ切手を10枚」
(3)比例(数字と数字の関係)
  Die japanische Nationalmannschaft hat mit 2:0 (zwei zu null) gewonnen.
   「日本のナショナルチームは2対0で勝利した」
(4)人の集まり(分配人数)
  zu dritt 「3人で」「3人組みで」「3人一組で」
   ※ zu + 序数(無変化)
  zu dreien 同上の意味
   ※ zu + 基数に語尾 -en がついたもの(他の例:zu Hunderten 何百人という人数で)

以上のように、「zu + 数字」は、「数量の配分(=〜ずつ)」という意味合いをするも
のです。「割合」と言っても良いでしょう。

今回の zu dritt に限定して言えば、「3人ずつ(の配分で、割合で)」。
これは、「3番目の人ごとに1グループと考えよう」というわけですね。
たとえば、人の集まりが

 A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N・・・

とあったとして、zu dritt は「3番目の人ごとに」というわけですから、

{A,B,C}{D,E,F}{G,H,I}{J,K,L}{M,N,…}
 1 2 3  1 2 3  1 2 3  1 2 3

というイメージになるかと思います。
ここから、zu + 序数 <または、zu + 基数に語尾 -en がついた形> は、「〜人組みで」
という慣用句になりました。

なお、

> 前置詞+形容詞 でまとまった意味を持つということがあるのですか。

先のような「序数(ポイントは無変化であること)」が登場するのは珍しい例として置い
ておいて、zu dreien のようにちゃんと語尾変化する例はいくつかあります。「前置詞+
形容詞」の話をする限りは、語尾変化は無視できません。なぜなら、ドイツ語の前置詞は
それぞれに決まった「格支配」を持っていて(zu なら3格支配、durch なら4格支配と
いう具合に)、形容詞が副詞と大きく違う点は「格変化」するという点なのですから、こ
れはごく当然のことになります。

たとえば、
 vor allem 「とりわけ」
 vor kurzem 「最近、先ごろ」
 unter anderem 「数ある中で」

前置詞の格支配の影響を受けない「副詞」の場合は、
 auf ewig 「永久に」
 fuer immer 同上
 auf einmal 「一度に、急に」
 ueber einmal 「急に、突然」
のようになります。

ただし、上の「前置詞+形容詞(変化語尾)」のケースは、形容詞が「名詞化されている」
状態に近いと考えることができます。念のため。

返信2 返信-2
 2005/1/19 (水) 05:43:48 - ssaito - No.1106033510.2
心ゆく御説明有難う御座いました。

形容詞と副詞 引用
  2005/1/16 (日) 17:06:29 - ssaito - No.1105862789
お願いします。

Natascha sieht in ihrem Abendkleid sehr
huebsch aus. Da kommt Klaus ganz feierlich
mit einem Blumenstrauss.
( イヴニングドレスを着たナターシャはすごく綺麗だ。
そこへクラウスが花束を持ってうやうやしく現れる。 )

の feierlich ですが,辞書を見ますと 祭礼の、
儀式ばった、もったいぶった、・・・ など形容詞しか
ありません。
どうして何か本来の副詞を使わないのですか。
ときどき副詞のあるはずのところに形容詞があることが
ありますが、こう言うところはこう云うものなのですか。

返信1 返信-1
 2005/1/17 (月) 20:39:56 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1105862789.1
こんにちは。

> 本来の副詞を使わないのですか。

そうですね、ドイツ語を見ていると、副詞があるはずの場所に形容詞があることが少なく
ないですね。これは、ドイツ語の特徴のひとつで、「形容詞をそのままの形で副詞として
使うことができる」というものです。

たとえば、英語ですと、quick は形容詞であり、副詞ならば quickly としなければなり
ませんね。つまり、多くの副詞が 〜ly のような語尾をしているわけです。それに対し、
ドイツ語では、schnell という単語は形容詞としても、またそのままの形で副詞としても
使えます。
(例) Shinkansen ist ein schneller Zug. schnell は形容詞
    Shinkansen faehrt sehr schnell. schnell は副詞(fahren を修飾する副詞)

もちろん、gern や oft などのように、そもそも副詞としての働きしかなく、形容詞と
しては使えないものもありますが、逆に形容詞の場合は、たいていは副詞としてそのまま
使えるのが大きな特徴です。

ですから、今回の例でも、feierlich は形容詞であり、かつ副詞でもありえます。
 ein japanisches feierliches Essen (おせち料理(の類))
 Er zieht sich feierlich an. (彼はフォーマルな服装をしている)

> Da kommt Klaus ganz feierlich mit einem Blumenstrauss.
 「そこへ、改まった装いで、手に花束をもってクラウスがやって来る」

返信2 返信-2
 2005/1/18 (火) 05:18:27 - ssaito - No.1105862789.2
返信有難う御座います。

安心しました。
ドイツ語の形容詞は便利ですね。
そう云うことできっと辞書も 《副詞》 の表記を略して
いるのですね。

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