ドイツ語質問箱

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ページ 92 (911〜920)
um..zu...とdamit 引用
  2005/2/21 (月) 19:39:00 - LIDL - No.1108982340
お世話になってます。

ドイツ語学校の授業もだんだん難しくなってきました。
今日は,目的をあらわすum...zu...とdamitについて質問させてください。

まず,次の文をum...zuを用いて,ひとつの文にしなさいという問題なんですが,

1)Wir gehen ins Konzert. Wir wollen gute Musik hoeren.
→ Wir gehen ins Konzert, um gute Musik zu hoeren.
私たちは,すばらしい音楽を聴くためコンサートに出かける。

2)Er steht spaet auf; dann kann er laenger schlafen.
→Er stehet spaet auf, um laenger schlafen zu koennen.
彼は,長く寝れるように,遅くに起きる。

1)のwollenは省略するが,2)のkoennenの場合は省略しないほうがよいという
説明がありました。
英語では,不定詞に助動詞が来ることはないと思っていたのですが,
ドイツ語では結構あることなんでしょうか。
(そもそも両者は全く別物と考えたほうがいいのでしょうか?)

2)で,um laenger zu schlafenとすると,
「〜できるように」というニュアンスが伝わらないのでしょうか?

また,1),2)をdamitで表現する際は,話法の助動詞は必要でしょうか?

1)' Wir gehen ins Konzert, damit wir gute Musik hoeren wollen.

2)' Er steht spaet auf, damit er laenger schlafen kann.

返信1 返信-1
 2005/2/21 (月) 23:52:22 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1108982340.1
こんにちは。

> 英語では,不定詞に助動詞が来ることはないと思っていたのですが,
> ドイツ語では結構あることなんでしょうか。
(そもそも両者は全く別物と考えたほうがいいのでしょうか?)

そうですね。英語では、話法の助動詞は不定形では使えないようですね。不定形で使えな
いということは、to不定詞としても用いられないということになります。
他方、ドイツ語の話法の助動詞は、たとえば次のような文例にあるように、不定形で用い
ることができます:

Der Mensch muss(定形変化) das Schiff segeln koennen(不定形).
人類は船というものを操ることができなければならない。
(Computerlinguistik Uni Erlangen)

2つある話法の助動詞のうち後者 koennen は不定形で用いられています。話法の助動詞
が不定形で用いられる以上、zu不定詞のような不定形を要求する構文でも用いることがで
きるわけです。

(例1)Um diese Funktion des Forums nutzen zu koennen, melden Sie sich bitte an.
このフォーラムの機能を使えるようにするためには、会員になってログインしてください。
(Sueddeutsche Zeitung, Online-Forum)

(例2)Christen muessen sich absondern, um auf Gott hoeren zu koennen.
キリスト教徒は、神の声を聞き取れるようにするためには、(俗世から)自らを隔離せね
ばならない。
(Bibel-Online, 16.04.2002)

(例3)Die Denkweise, staendig etwas tun zu muessen, ist die unsichtbare
Ursache vielen Unglueckes und Schwierigkeiten.
常に何かをせねばという考え方では、目に見えないところでたくさんの不幸や困難が引き
起こされてしまう。
(Minghui Net, 10.08.2003)

(例3)は um ...zu 不定詞の例ではありませんが、(例1〜2)はその例です。

um ...zu 不定詞句は、「〜するために」という【目的】を説明する修飾句です。これ
は、um の「〜を求めて」という意味から来ています。たとえば、um etwas bitten 「〜
を(求めて)お願いする」や um des Friedens willen 「平和を求めて(平和のため
に)」など、日本語でも um を「〜を求めて」と訳せそうな文例に出会うことができま
す。um ... zu 不定詞句(たとえば、um auf Gott zu hoeren)では、

[um [auf Gott zu hoeren]]
[−を求めて [神の声を聞くこと]] (=神の声を聞くことを求めて、神の声が聞こえる
ように)

という構造を考えることができるでしょう。これはあくまでも推測ですが、「何かを求め
る」ということは「何かを得られるように」という意味合いが含まれており、自然と
koennen の意味合いが含意されているのではないでしょうか。ですから、

> 1)のwollenは省略するが,2)のkoennenの場合は省略しないほうがよいという説明があ
りました。

1) の wollen は、その um ... zu 不定詞句の持つ本来の意味合いとは合わないような気
がします。

(参考)?? Wir gehen ins Konzert, um gute Musik hoeren zu wollen.
   私たちはすばらしい音楽を聴きたいためにコンサートに出かける。

というこの文は、かなり不自然だと思われます。そう断言して記述してある文法書に出
会ったわけではありませんが、かなりの割合で um ... zu 不定詞では、話法の助動詞と
しては koennen しか来ることができないのでは? 次の例のように、koennen が無いほ
うがしっくり来る文例もありますが、

 Das hast du nur getan, um mich zu aergern.
  君は僕を怒らせるだけのためにそれをしたんだ(=君の行為は僕への嫌がらせ以外の
何物でもない)
 ?? Das hast du nur getan, um mich aergern zu koennen.
   君は僕を怒らせることができるだけのためにそれをしたんだ。

それ以外は koennen を伴ったとしても(koennen のない場合と)よく似た文意を得るこ
とができると思います。

(例1)Um diese Funktion des Forums nutzen zu koennen, melden Sie sich bitte an.
このフォーラムの機能を使えるようにするためには、会員になってログインしてください。
(例1’)Um diese Funktion des Forums zu nutzen, melden Sie sich bitte an.
このフォーラムの機能を使うためには、会員になってログインしてください。

(例2)Christen muessen sich absondern, um auf Gott hoeren zu koennen.
キリスト教徒は、神の声を聞き取れるようにするためには、(俗世から)自らを隔離せね
ばならない。
(例2’)Christen muessen sich absondern, um auf Gott zu hoeren.
キリスト教徒は、神の声を聞き取るためには、(俗世から)自らを隔離せねばならない。

ですから、wollen が用いられている 1) では、um ... zu 不定詞にするときは wollen
は添えず、2) では koennen を省略しないほうが良いのかどうかまでは分かりませんが、
koennen を省略してもしなくてもかなりよく似た文意を得ることができるように思えます。

> 2)で,um laenger zu schlafenとすると,
> 「〜できるように」というニュアンスが伝わらないのでしょうか?

「〜できるように」というニュアンスを出すには、やはり koennen が必要だと思
います。koennen 無しで、

Er steht spaet auf, um laenger zu schlafen.

ですと、「彼は、長く眠るため(=長く眠ることを求めて)、遅く起きた」となるので
しょう。先にも述べましたが、koennen がある 2) の文と比較しても、そんなに意味合い
は大きく変わりませんよね。ただし、koennen があったほうが、「願わくば〜できるよう
に」というニュアンスがあって、より良いかもしれません。

> また,1),2)をdamitで表現する際は,話法の助動詞は必要でしょうか?

damit を用いる場合でも、koennen を必ずしも用いなければならないということもないよ
うです。koennen のない damit節もたくさん目にすることができます。

(例)Damit Sie gesund zurueck kommen, [...]
あなたが元気にまた帰国する(ことができる)ために(・・・)
(Reisemedizinisches Zentrum, 15.05.2002)

(例)Damit es auch in Schnee und Frost brummt, sollten Front- und Heckscheiben
mit speziellen Kunststofffolien abgedeckt werden.
雪の中でも凍結状態でもまたエンジン音を立てて出発する(ことができる)ために、フロ
ントとリアガラスには特殊なフィルムを貼っておくことが望ましい。
(Stern, 01.12.2004)

試しにこの2つの文を和訳しようとしてみると、自然と(koennen は表現されていないに
も関わらず)「〜できるために」と訳してしまいたくなります。damit節も、um ... zu
不定詞と同じように、koennen が含意されている(damit の本来の意味は「それによっ
て、それでもって」と言う意味ですので、「願わくばそれでもって〜できるように」とい
うニュアンスか)のかもしれません。

あまり明確な答えは出せていませんが、um ... zu 不定詞も damit節でも、koennen は無
くても良いし、あればなおさら程よいニュアンスを出せるのだと仮定しておきます。ただ
し、koennen 以外の話法の助動詞は共起することはきわめて困難でしょうね。

> 1)' Wir gehen ins Konzert, damit wir gute Musik hoeren wollen.

damit と wollen が共起しえない。
→ wollen を koennen に置き換えるか、助動詞を無しにするか。

> 2)' Er steht spaet auf, damit er laenger schlafen kann.

これはこれで問題ないでしょう。

返信2 返信-2
 2005/2/23 (水) 23:36:21 - LIDL - No.1108982340.2
丁寧なご回答ありがとうございます。

damit節では,konnen以外の助動詞は使わない。
また,konnenも必ず必要というわけではないのですね。了解しました。


> →Er stehet spaet auf, um laenger schlafen zu koennen.

um... zu...でkoennenを使うと,「願わくば〜したい」という話者の願望が
強く表現されるわけですね,別にくどい表現ではないんですね。

beide 引用
  2005/2/21 (月) 21:51:45 - ssaito - No.1108990305
お願いします。

Was machen die beiden in Meissen?
( ふたりはマイセンで何をしているの? )

の die beiden は beide《代》 が 【名詞的に】両者、
両方 の意味で使われたもので、他方 die beide とするのも
あるそうですが、

(1) 用い方に違いは有りますか。地方とか…
(2) 感じは何か違って来ますか。

返信1 返信-1
 2005/2/22 (火) 15:02:27 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1108990305.1
そうですね、"die beiden" は、たとえば die beiden Haende 「両手」や die beiden
Brueder 「兄と弟」などで用いられるもので、名詞部分(Haende や Frauen)を省略して
用いているものです。

"beide" は品詞の上ではたしかに【不定代名詞】ですが、語尾変化は形容詞に準ずる変化
をします。

beide は、その意味から「2個が対になったものの両方」を指しますので、通常は複数形
扱いです。※例外は、"beides" の形で用いる場合、単数中性名詞扱い(注)。
冠詞 die を伴う場合は "die beiden" となります。これは「形容詞の複数形弱変化」に
準じているからです。

ですから、"die beide" という形は普通は誤りになってしまいます。ただし、無冠詞なら
ば "beide" という形で用いることができます。 対になったものを一括して「2つともそ
ろって」などと強調するときには無冠詞で使うことが多いようです。
(例) Beide Staedte kommen sich mit ihrer neuen S-Bahn immer naeher.
    「両市は、新しいSバーンによって互いに一層近づいてきている」
    Die oesterreichische Fluggesellschaft des Ex-Formel-Eins Fahrers Niki Lauda
    verbindet die beiden Staedte [=Wien und London]. (Billigflieger, 11.02.2004)
「元F1ドライバーのニキ・ラウダ氏が経営するオーストリアの航空会社は、ウィーンと
ロンドンの両方の市を結んでいる」

> (1) 用い方に違いは有りますか。地方とか…

ですから、"die beiden" は定冠詞つきの用法です。他方、"die beide" を説明するとし
たら、die は定冠詞ではなく、指示代名詞として用いられていると考えるしかありません。
たとえば:

[Wien und London, die] beide kommen sich mit der oesterreichischen
Fluggesellschaft immer naeher. 「ウィーンとロンドン、それらは、両市とも互いにそ
のオーストリアの航空会社によって一層距離を縮めてきている」

die は、まず最初に Wien und London と導入されているものを、もう一度「受けなお
し」ているというわけです。こういうのを文法用語では【左方転移】と呼んだりします。
日本語でも、たとえば、日本国憲法の例ですが、第9条の2項に

「国の交戦権は、これを認めない。」

という記述があります。これも、「国の交戦権」というものを先に提示しておいて、それ
を改めて「これ」で受けなおしている左方転移の例です。

これは、"die" が指示代名詞として機能しているからで、die は sie (人称代名詞)と置
き換えることもできます。

(参考)Wien und London, sie beide kommen sich mit der oesterreichischen
Fluggesellschaft immer naeher. 「ウィーンとロンドン、それらは、両市とも互いにそ
のオーストリアの航空会社によって一層距離を縮めてきている」

>(2) 感じは何か違って来ますか。

まとめると、"die beiden" の die は定冠詞、"die beide" の die は指示代名詞だとい
う違いを仮定することができます。一般に、指示代名詞は常に強勢が置かれます(強く読
まれる)。

・ "die beiden" は、beiden に強勢。die はあくまでも定冠詞。
・ "die beide" は、die に強勢。die は指示代名詞。

---
(注)"beides" は本来は一括できない異質のもの(事物に限る。人間などには用いられ
ない)をまとめるときなどに中性名詞単数扱いで使います。
 (例) Trinkst und/oder rauchst du? - Beides.
     「君はお酒やタバコをやりますか?― 両方ともやります」
     Beides ist moeglich. 「どちらとも可能です」

返信2 返信-2
 2005/2/23 (水) 16:13:14 - ssaito - No.1108990305.2
返信有難う御座います。

die による【左方転移】 という語法は、小気味のいい感じですね。

beides( 異質の二つを一括する ) は新しい知識でした。

過去分詞 引用
  2005/2/20 (日) 20:57:12 - ssaito - No.1108900632
お願いします。

Die Kette habe ich von meinem Freund geschenkt
bekommen.
( そのネックレスはボーイフレンドからもらったのよ )



(1) 文の構造はどう言ったものですか。

(2) geschenkt, bekommen はどちらが欠けてもダメですか。
Die Kette habe ich von meinem Freund geschenkt.
とか、
Die Kette habe ich von meinem Freund bekommen.
という文章はありますか。

(3) (2) の二つの文章と例文との文意に、それぞれどんな
違いが有りますか。

返信1 返信-1
 2005/2/21 (月) 18:38:27 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1108900632.1
こんにちは。今回のご質問の文は、「bekommen受動」と呼ばれたりするものです。ドイツ
語における通常の受動態とどう違うのかを簡単に説明します。そのために、「ドイツ語の
通常の受動態」の特性について、特筆すべき点を挙げておきますね。

○ドイツ語の受動態
・能動態の文における「4格目的語」が、受動文において「1格主語」に転じる。
 (その際、能動文の主語は、受動文では von/durch 〜 「〜によって」という形で表さ
れる。)
(例)Mein Vater lobt mich(4格). 父が私を褒める (能動文)
   Ich(1格) werde von meinem Vater gelobt. 私は父に褒
められる (受動文)
・能動文の「3格目的語」は、受動文でも3格のまま。
 (英語のように、間接目的語=3格目的語=が受動文で主語=1格=に転じることはあ
りません。)
(例)Mein Freund schenkt mir(3格) die
Kette(4格)
.
    私の彼が 私にこのネックレスを贈る(能動文)
   Die Kette(1格) wird mir(3格)
von meinem Freund geschenkt.
    このネックレスは 私に 私の彼によって 贈られる
※このように、通常の受動態(助動詞に werden を用いるもの)では、「4格(能動態)
→1格(受動態)」という格の変化は起こりますが、3格目的語のほうは「3格(能動
態)→3格(受動態)」であることにも併せて注意。

ですから、たとえば、次の文は、受動態ではどうなるかと言いますと:

   Ich helfe meiner Mutter(3格). 私は母を手伝う
  (動詞 helfen は、目的語に3格目的語を取りますので、そもそも受動態で1格に
   転じることができる要素はありません)
 → Meiner Mutter(3格) wird von mir geholfen.
   または、Es wird Meiner Mutter(3格) von mir geholfen.)
      母は 私によって手伝われる

ところが、今回の「bekommen受動」と呼んでいるものは、助動詞に werden ではなく
bekommen を用いるタイプの受動文です。この bekommen受動の特筆すべき特性は、

○ドイツ語の bekommen受動態
・能動態の3格目的語が、bekommen受動で1格主語に転じる。
(例)Mein Freund schenkt mir(3格) die Kette. 同上(私の
彼が 私にこのネックレスを贈る)(能動文)
   Ich(1格) bekomme die Kette von meinem Freund
geschenkt. 私が このネックレスを 彼から 贈ってもらう (受動文)

(例2) Ich helfe meiner Mutter(3格).
     Meine Mutter(1格) bekommt von mir geholfen.

> (1) 文の構造はどう言ったものですか。

ちょうど、日本語で「誰かに〜にしてもらう」の「もらう」という意味合いが bekommen
という助動詞で表現されています。bekommen は普段はもちろん一般動詞ですが、この
bekommen受動では助動詞として振舞います。ですから、ちょうど werden受動 と同じよう
に、動詞の過去分詞を伴って、

  bekommen + 過去分詞  bekommen は主語に応じて人称変化をする

という構文である、というわけです。bekommen という動詞自体が、「もらう(=手に入
れる、受け取る)」という意味を持っていますので、

(参考)Ich bekomme die Kette von meinem Freund. 私は このネックレスを 彼から
 もらう

という文と非常に似ています。そこに geschenkt (< schenken) が加わることによって、

Ich bekomme die Kette von meinem Freund geschenkt.
私は このネックレスを 彼から 贈ってもらう

という意味合いが表されます。

大まかに言うと、ドイツ語の受動態では「能動文の4格→受動文の1
格」
という大原則があって、さらに、helfen, gratulieren, danken などそもそ
も「3格目的語」を選択する動詞や、「3格目的語」と「4格目的語」の両者を必要とす
るような動詞(schenken, geben, schicken など)に関して、「3格目的語」は werden
受動では、受動態においても格の転化はなく「3格のまま」ですが、bekommen受動の構文
を用いた場合には「能動文の3格は(bekommen受動の)受動文の1格になる」ということ
があり、これが今回のポイントでした。

今回の表題文は、目的語が先に来る【倒置】が起こっていますので、とりあえず主語を1
番目に持ってきてみると、

Ich habe die Kette von meinem Freund geschenkt bekommen.

さらに、現在完了形をとりあえず現在形に直してみると

Ich bekomme die Kette von meinem Freund geschenkt.

これが、bekommen受動の“基本形”(bekommen + 過去分詞)です。

>(2) geschenkt, bekommen はどちらが欠けてもダメですか。
> Die Kette habe ich von meinem Freund geschenkt.
> とか、
> Die Kette habe ich von meinem Freund bekommen.
> という文章はありますか。

上でも少し紹介しましたが、geschenkt が欠けても

 Die Kette habe ich von meinem Freund bekommen. …(A)

となるだけで、「〜してもらった」というような【受動的】なニュアンスは欠けてしまう
ものの、文としては問題ありません。

他方、bekommen が欠けてしまうと、bekommen受動を作れない!ということになり、この
場合には、能動文の mir (3格) が、ich (1格) に転じることはできません。よって:

Die Kette wurde mir von meinem Freund geschenkt. …(B)

という文になるしかありません。

>(3) (2)の二つの文章と例文との文意に、それぞれどんな違いが有りますか。

(A)は「受け取る」という行為(bekommen)に重点が置かれ、(B)では「贈る・贈ら
れる」という行為(schenken)に重点が置かれています。bekommen受動では、その両者が
表現できているということでしょうか。

(参考)(C) Ich habe die Kette von meinem Freund geschenkt. (=表題文)

返信2 返信-2
 2005/2/21 (月) 21:33:33 - ssaito - No.1108900632.2
返信有難う御座います。

> bekommen受動では助動詞として振舞います

だったのですね。

辞書を見ますと5番目に、「 …してもらう、…される⇒受動表現の代用 」
のようにありました。

文法がわかりません。 引用
  2005/2/18 (金) 18:36:54 - Das Schiri - No.1108719343
こんにちは、

ドイツ人からメールを頂いたのですが、意味はわかるのですが、文法的に全く理解、納得の行か
ないところがありました。日本語のカタカナのテストがあったらしく、その感想を書いていま
す。まずその文を:

leider wusste ich nicht was China auf Japanisch heisst.
Als wird das durchgenommen haben war ich leider nicht da
und diese neue Vokabel hatte mir keiner mitgeteilt -_-

コピペして貼り付けたので、多少コンマが抜けています。

意味としては、「残念なことに、”China" だけ日本語でなんて言うかわからなかったよ。これ
が授業で取り扱われた時、居なかったんだ。しかもこの単語をだれも私に教えてくれていなかっ
たんだ。」 で合っているでしょうか?

文法的に分からないところは「Als wird das durchgenommen haben」です。 意味は
durchnehmen が使われていることや、文の前後からわかったのですが、一体これは堂行った文
法を含んだ文なのでしょうか?

ここの als は 「あたかも〜したかのように」での用法と同じと考えて良いのですか?
それとdurchnehmen は他動詞であり、何か目的語を取らなければいけないと思うのですが、見
当たりません。どういうことでしょうか?

それと、この文は未来完了形で書かれていますが、話の内容は過去で、矛盾しているような気が
するのですが。。。。 

お時間のあるときに、宜しくお願いします。

返信1 返信-1
 2005/2/19 (土) 15:20:42 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1108719343.1
こんにちは。
今回の文章,一番ありえそうな可能性として,ここで書かれている "wird" は,実は
"wir" のタイプミスだと考えることができそうです。

 Als wir das durchgenommen haben, war ich leider nicht da.
 「私たちがそれを扱ったとき,私は残念ながらいなかった」

この場合の wir (私たち)というのは,本人はいなかったわけですから,厳密には wir
に含まれないような気になりますが,「クラス全体」「教室全体」を指して wir が使わ
れているのだと思います。

> それとdurchnehmen は他動詞であり、何か目的語を取らなければいけないと思う
> のですが、見当たりません。どういうことでしょうか?

そうですね。durchnehmen は他動詞ですので,主語と目的語の両方が必要になります。そ
のためにも,wir が必要になると思います。この場合,das が目的語です。

なお,ご指摘のとおり,未来完了形だとすると,話の時間(時制)が明らかに合いませ
ん。また,受動態構文だと考えることも可能かもしれませんが,その場合は,

(参考) Als das durchgenommen worden ist (wurde), war ich ...
  「それが扱われたとき,私は…」

となるはずで,haben が使われていることが説明できません。(そもそも語順がおかしく
なる。)

> ここの als は 「あたかも〜したかのように」での用法と同じと考えて良いのですか?

als にはこのような用法もありますね。本件では,als は「〜したとき」という時間を表
す用法だと思われますので,この用法は無関係でしょうが,この「あたかも〜のように」
の構文では,非現実話法(接続法,主にU式)が用いられるのが通例です(時には直説法
を使うこともあることは否定しませんが)。「あたかも〜」と言っているのですから,現
実では違うことを“仮の話”として述べているわけですから,非現実話法を使うことは理に
かなっています。また,この場合,ob や wenn を伴うことも非常に多いです:

(例) Er sah, als haette er nichts gehoert, aus dem Fenster.
    「彼は,まるで何も聞こえなかったかのように窓の外を見やった」
    Mir kam es vor, als ob ich schon Stunden gewartet haette.
    「私には,自分がもう何時間もずっと待っているような気がした」

補足まで。 

> 意味としては、「残念なことに、”China" だけ日本語でなんて言うかわからなかったよ。
> これが授業で取り扱われた時、居なかったんだ。しかもこの単語をだれも私に教えて
> くれていなかったんだ。」 で合っているでしょうか?

そうですね。これで良いと思います。ここでは「これが授業で取り扱われたとき」と受動
態で訳されていますが,原文では「クラスでこれを扱ったとき」となっているわけですね。

返信2 返信-2
 2005/2/19 (土) 23:01:00 - Das Schiri - No.1108719343.2
ありがとうございます!
まさか wird が wir のタイプミスなんてまったく想像つきませんでした。それにしてもとて
もわかりにくい間違いですね。そう考えると、すんなりすべて意味が通りますね。
ここに書きこむと、本当に勉強になります。それでは。

Haus(e) 引用
  2005/2/16 (水) 13:58:13 - ssaito - No.1108529893
お願いします。

テキストの文章ですが、

Du darfst schon nach Hause gehen.
( 君はもう家に帰ってもいいよ。 )

に付いて Haus は中性ですから動く方向を表わすときは
4格で nach Haus とすべきかなと思うのですが、辞書
を見ますと nach Haus(e) とあり Hause もあるよう
になっています。

しかし、辞書の見出しには Hause はありませんし、
Haus の複数形でもありません。学習途上、全く突然現れた
語のように感ぜられます。

(1) Hause という語に付いて品詞・格などどう云うふう
に考えれば良いのですか。
(2) Haus と Hause の使い分けといいますか、雰囲気
の違いはありますか。
(3) 前置詞+Hause という場合だけでしょうか。
(4) その場合、主流は Haus, Hause のいずれですか。

※ 盛りだくさんですみません。

返信1 返信-1
 2005/2/16 (水) 17:02:54 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1108529893.1
>(1)Hause という語に付いて品詞・格などどう云うふうに考えれば良いのですか。

nach Haus[e] や im Fall[e]、auf dem Weg[e] など、語尾に [e] がついているのは、3
格(Dativ)の印です。このような [e] は Dativendung(3格語尾)と呼ばれることもあ
ります。
ただし、女性名詞には付きませんので、男性名詞と中性名詞の3格に [e] がつくことが
あるのです。なお、この Dativendung は現代ドイツ語では失われつつあるもので、「古
い形が残っている」と考えるほうが良さそうです。

他にも前置詞の zu の「静止場所」用法(現代語では zu は、zur Post, zum Bahnhof な
どのように「行き先を表す」前置詞として使われますが、その一方で zu Haus[e],
Humboldt-Universitaet zu Berlin = in Berlin と同じ意味 のように「静止場所」を表
す用法が残っている)など、古い形が現代語にそのまま残っているものにときどき出くわ
します。

>(2) Haus と Hause の使い分けといいますか、雰囲気の違いはありますか。

以下の [e] が付く形で定着化してしまっている(イディオム的に)ものを除けば、リズ
ムの問題や口調上・文体的な理由から [e] は付けたり付けなかったりできますので、使
い分けはありません。一部、[e] を付けると古めかしく響くこともあるかもしれません。

【[e] をつける形で定着しているもの(例)】
 im Grunde genommen 根本において、結局のところ
 zu Felde ziehen 戦う
    ※ gegen jemanden fuer etwas zu Felde ziehen 〜と…のために戦う
 zu Rate gehen 協議・相談する
    ※ mit jemandem ueber etwas zu Rate gehen 〜と…のことで協議する
 zu Werke gehen ことを進める (vorsichtig 用心深く などを伴うことが多い)
 im Zuge sein 調子が良い、調子に乗っている

逆に、[e] が付かないための規則もあります(例外はつきもの?):
次の場合、Dativendung の [e] は付かない。
・語尾が -el, -em, -en, -er, -chen, -lein で終わる名詞
  (例) dem Engel, dem Garten, dem Arbeiter
・母音(二重母音を含む)で終わる名詞
  (例) dem Ende, dem Schnee, dem Ei, dem Schuh, dem Papa
・固有名詞
  (例) auf dem Necker, auf dem Alexanderplatz

>(3) 前置詞+Hause という場合だけでしょうか。

いえ、3格であれば、前置詞を伴わなくても可能です。
Dem Manne kann hier wirklich nicht geholfen werden. (Berliner Zeitung, 08.01.2004)
 「その男性は、ここでは本当に手を貸してもらえるすべがない」
War Papst (= Johannes Paul II) dem Tode nahe? (Katholischer Nachrichtendienst,
16.02.2005)
 「法王は、瀕死の状態だったのか?」

>(4) その場合、主流は Haus, Hause のいずれですか。

主流がどちらかというのは分かりませんが、[e] が付くと少し古めかしい響きになること
もあるようです。ただし、nach Hause や zu Hause, im Sinne, im Falle など、ごく普
通に [e] を付けるものも多くありますので、ますます判断は難しそうです。
なお、そうは言っても、最近では nach Haus という形もよく目や耳にするようになりま
した(以前より増えてきたような気がします)。答えになっていなくてすみません。

返信2 返信-2
 2005/2/17 (木) 09:22:02 - ssaito - No.1108529893.2
いつも綿密な御返信を有難う御座います。

・・・ zu Hause gehen. の Hause が3格なのは zu が
3格支配の前置詞だったからなのですね。

そうしますと Haus の格による変化は、

(1)Haus, (2)Hauses, (3)Haus(e), (4)Haus

で、3格の Hause は Haus より幾分古いものを感じる
ところであると理解致しました。

返信3 返信-3
 2005/2/17 (木) 12:01:28 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1108529893.3
私が先に zu Haus(e) の例を挙げたときに日本語の対応訳を書き忘れたので、混乱を招い
てしまったのだと思いますが、zu Hause は古い用法の名残で、いわば慣用句として「家
へ(行く)」などに使う「行き先」ではなく、「家に(とどまる)」 zu Hause bleiben
などの「静止位置」を表します。ですから、gehen と共に用いて zu Hause gehen という
表現(「家に行く」)とは言えませんので、nach Hause gehen という形でお使いください。

前置詞 zu が、現代ドイツ語において、zur Post gehen 「郵便局へ行く」や zum
Bahnhof gehen 「駅へ行く」などの「行き先」に用いられるのが主であっても、zu Hause
bleiben 「家にとどまる」や Humboldt-Universitaet zu Berlin 「ベルリンのフンボル
ト大学」(zu Berlin を in Berlin と読み替え可能)のように「場所」を意味する用法
(=これが古い形の名残り)も残っているという例でした。

ですから、

> ・・・ zu Hause gehen. の Hause が3格なのは zu が
> 3格支配の前置詞だったからなのですね。

Hause は Haus の3格形です、というところまで書いて、じゃあなぜ Haus が3格なのか
というとそれは3格支配の前置詞に導かれているからです、ということを書き忘れている
にもかかわらず、きちんと理解してくださっていて、私の説明不足を補っていただいて嬉
しいです。ただし、「nach Hause gehen の Hause が3格なのは、nach が3格支
配・・・」もしくは「zu Hause bleiben の Hause が3格なのも、zu が3格支配だか
ら・・・」ということでお願いしますね。補足まで。zu Hause なら sein/bleiben のよ
うな動詞が来て、nach Hause なら gehen/fahren/kommen のような動詞と共に用います。

説明が足りませんでした。 (田中)

返信4 返信-4
 2005/2/17 (木) 15:31:42 - ssaito - No.1108529893.4
実は、僕もなんだかごっちゃに勘違いしていたのですが、

> zu Hause なら sein/bleiben のような動詞が来て、
> nach Hause なら gehen/fahren/kommen のような
> 動詞と共に用います。

ということは、前置詞の zu, nach は共に3格支配で、
前者は静止位置、後者は運動先を明らかにする為の定例
表現なのですね。

そこで他方、逗留地点或いは行き先を是非3・4格支配の
in を使って表現するとなると、

・・・ ins Hause sein/bleiben
・・・ ins Haus gehen/fahren/kommen

のようになるとして良いですか。

返信5 返信-5
 2005/2/17 (木) 16:46:11 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1108529893.5
> ということは、前置詞の zu, nach は共に3格支配で、
> 前者は静止位置、後者は運動先を明らかにする為の定例
> 表現なのですね。

"Haus" という名詞と共に用いる場合の前置詞の zu, nach は共
に3格支配で、前者は静止位置、後者は運動先を明らかにする為





通常は、zu も nach もどちらも「移動先」を表す前置詞です。
使い分けは、
・zu: zum Bahnhof, zur Bank, zur Post
  駅、銀行、郵便局など、「建物・施設」を行き先とするときに使います。
なお、Bank や Post などには auf という前置詞を使うこともあります。念のため。
・nach: nach Tokyo, nach Deutschland, nach Osten
  東京、ドイツ、東など、「地名や方角」を行き先とするときに使います。
いずれも、3格支配の前置詞です。

ただし=これは例外というか、あくまでも古い形の名残です= "zu Haus(e)" という表現
における zu は、「静止位置」を表す zu です。このような古い形を残す用法を除けば、
zu という前置詞は「建物・施設」とともに「方向」を表します。ドイツ語の zu は、英
語の to に対応することを考えると、分かりやすいかもしれません。to the station, to
the post office

あくまでも、"zu Hause" が特殊なのだとお考えください。もっと言えば、"Haus" という
名詞が、どうも前置詞の使い方が他の名詞と違うらしい・・・と言ってしまえば、話は
ぐっと簡単になります。余談(おまけの話題)で "zu の古い用法" の話を持ち出したこ
とが、話をややこしくしてしまっただけです。すみません。

> そこで他方、逗留地点或いは行き先を是非3・4格支配の
> in を使って表現するとなると、

> ・・・ ins Hause sein/bleiben
> ・・・ ins Haus gehen/fahren/kommen

"Haus" という名詞には、
・静止位置 zu Haus(e)
・移動  nach Haus(e)
という決まった表現しかありません。もちろん、仰るように in という3・4格支配の前
置詞を使って、
(参考)・静止位置 im Haus(e)
    ・移動   ins Haus
という表現もすることはありますが、それよりもはるかに zu Haus(e) / nach Haus(e)
という決まり文句を使うほうが多いです。"Haus" に関しては、決まり文句があまりにも
動かしがたくなっています。その証拠のひとつとして、"zu Haus(e)" には冠詞がありま
せん。普通は、"zum Rathaus" や "zur Post" のように、冠詞が必要です。冠詞のない表
現が定着しているというのは、それが決まり文句になっているということです。

それ以外の名詞(たとえば Restaurant や Bibliothek, Kino ... など)については、
・静止位置 im Restaurant, in der Bibliothek, im Kino
・移動   ins Restaurant, in die Bibliothek, ins Kino
などのように、ちゃんと3/4格を使い分けます。冠詞も必要です。

繰り返しますが、"Haus" の例を持ち出して話をややこしくしてしまったのは私のせいで
すが、zu も nach もどちらも「移動」を表す前置詞です。お間違いのありませんよう
に。決まり文句のものを除けば、決して "zu Restaurant" という表現で「(いま)レス
トランに(いるよ)」などという意味にはなりません。

返信6 返信-6
 2005/2/17 (木) 21:33:42 - ssaito - No.1108529893.6
再度の返信有難う御座います。

> ・静止位置 im Haus(e) ( ※ins Haus(e) は間違いでした)
> ・移動   ins Haus

と、3格・4格の使い分けがやはりあると判り安心しました。

Haus(e) は生活の基本ですから、きっと古くからある言葉なのですね。
そして、 zu Hause bleiben( 方向を意味する zu でも静止位置 )
と古くからの Haus 特有慣用表現ががっちり固まってしまっている
のですね。

文章中の性の表現 引用
  2005/2/6 (日) 20:00:52 - ssaito - No.1107687652
お願いします。

テキストに、

Was fuer ein Hund ist das?
( それはどんな犬ですか? )
Das ist ein Schaeferhund.
( シェパードです。 )
Was fuer eine Katze ist das?
( それはどんな猫ですか? )

などのようにありますが、 Hund は男性、 Katze は女性ですから、

Was fuer ein Hund ist er?
Er ist ein Schaeferhund.
Was fuer eine Katze ist sie?

とはならないのですか。他のページに・・・

Was fuer einen Hund haben Sie?
Einen Schaeferhund. Er ist gross und sehr klug.

とあります。

返信1 返信-1
 2005/2/8 (火) 18:20:23 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107687652.1
返信が遅くなって申し訳ありません。

なるほど、たしかに er は男性名詞を受ける人称代名詞(及び生物学的に男性・雄のもの
を指すこともある)、sie は女性名詞を受けることのできる人称代名詞(同 女性・雌)
ですね。そして、中性名詞を受ける人称代名詞は es です。

ご指摘のとおり Hund は男性名詞、Katze は女性名詞ですから、Hund は er で、そして
Katze は sie で受けることになり、中性名詞の das で受けるのは「性別違反」であるよ
うにも思えます。
しかし、不適切なのは es で受ける場合であり、後述のように das は比較的自由に用い
ることができます。

(例)Was fuer ein Hund <男性> ist es <中性>? (これらは適切でない)
   Es <中性> ist ein Schaeferhund <男性>.

er - sie - es が、同じ「人称代名詞」というカテゴリーに属し、それぞれが男性・女
性・中性名詞を受ける働きをする、と考えることができ、この3つは相補なって使用され
るといえます。

ただ、今回ご指摘の文例では、das が使われています。das というのは、der や die な
どと同じ文法範疇で【定冠詞】と呼ばれるものです。das (とその格変化形)はまず第一
に中性名詞を指す定冠詞であることは間違いありません。同様に der (とその格変化
形)は男性名詞、die (とその格変化形)は女性名詞に用いられます。ただし、das には、

 Miki, das ist Thomas. Thomas, das ist Miki.

に見られるように、「こちらは〜」というような場合に、Miki が女性であろうが、
Thomas が男性であろうが指し示す機能もあります。まさに“中立的”な指示機能と言える
かもしれません。今回の文例では、この das が用いられています。この意味では、er -
sie - das を同じ尺度で比較することはできません。

ただし、これは、

> Was fuer ein Hund ist er?
> Er ist ein Schaeferhund.
> Was fuer eine Katze ist sie?
> とはならないのですか。

これを排除するものではありません。この er/sie を使った表現も可能ですが、das で中
立的に目の前の(もしくは図鑑や写真に写っている)イヌやネコを指して「これは何とい
う種類の・・・?」と尋ねることも可能なのです。

返信2 返信-2
 2005/2/9 (水) 09:02:49 - ssaito - No.1107687652.2
返信有難う御座います。

das には性を超えた超越性というか抽象性を持った
汎用的用法があるのですね。

一方そうしますと、 es には、完全に中性的用法しか
ないのですか。

返信3 返信-3
 2005/2/10 (木) 15:51:44 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107687652.3
誤解を招く説明をしてしまったかもしれませんので、説明しなおします。
基本的に、ドイツ語の名詞に3つの性別がある以上、
 er - sie - es
 der - die - das
のような3つの性別の使い分けは、性別に即して選択されるべきです。
大きく分けて、この3つの性別の使い分けには、次のような区別があります:

er/der --- 生物学上男性のもの、及び男性名詞(生物学的な区別は関係なし)
sie/die --- 生物学上女性のもの、及び女性名詞(同)
es/das --- 無生物(事物・事柄)、及び中性名詞(同)

しかし、中性名詞 es/das には、若干、その“守備範囲”に幅があるというか、幅広い適用
範囲があるようです。その例が、前回の

Miki, das ist Thomas.

に見られるような das の用法です。目の前にいる人物は Thomas という男性ですから、
Miki, er ist Thomas. と言うことも可能です。普通は人物紹介をするときは一種の決ま
り文句のように "Das ist..." を使うだけのことで、どちらが普通かということを無視す
れば、"Miki, er ist Thomas."(ミキ、彼はトーマスだよ)ということも、言語形式とし
ては間違っていません。ただ、das や es という中性名詞に用意されている人称代名詞や
指示代名詞 には、そのような男性だとか女性だとかというものを越えて使用される用法
もある、ということです。次の例:

Das sind neue Technologien. それは新しい技術だ。
Es kommen monatlich zwei Filme. 毎月2本ずつ映画がある。

を見ると、das や es が【単数形】であることを無視して、述語名詞が【複数形】という
ことで動詞の数も複数形に対応した形になっています。こちらは「性」ではなく「数」と
いう素性においての特殊性です。ここからも、das/es が特殊な働きをしていることが見
て取れるかと思います。

他にも、電話口で "Hallo, ich bin's (ich bin es)."(もしもし、僕だけど)という場
合の es のような例もあります。es は「今電話をかけている人物(は僕だよ)」という
ことで、「僕」が男性なら er を使うのかといえば、使いません。電話をかけているのが
男性だろうが女性だろうが es を使って "Ich bin's." と言います。これも、es の“幅広
い”用例の一つでしょう。

その他、es には、【形式主語/形式目的語】【非人称主語】などの機能もあります。
たとえば、

 Ich muss bis morgen einen Aufsatz schreiben. 明日までに作文を書かなければなら
ない。
 [Es] ist fuer mich zu schwer. それは私には難しすぎることだ。

この場合の es は、ein(en) Aufsatz を指しません。もし指すのなら er にならないとい
けません。この es はむしろ、"bis morgen einen Aufsatz schreiben" (明日までに作
文を1つ書き上げること)を指しています。これは、
 [Es] ist fuer mich zu schwer, bis morgen einen Aufsatz zu schreiben.
と表現するのと同じですが、繰り返しを避けるため、後者の文では、es という一語にそ
れが凝縮されています。これは、語レベルのものを受ける代名詞としてではなく、直前の
文や句レベルのものを受ける代名詞として es が用いられている例でしょう。この場合、
es の代わりに das が用いられることもあります。

 Bis morgen einen Aufsatz zu schreiben, ist fuer mich zu schwer.
 Bis morgen einen Aufsatz zu schreiben, [das] ist fuer mich zu schwer.
 (zu 不定詞が長いと、一度 das で受けなおすことがあります。das には少し強めの強
勢が置かれます)

なお、天候や時間表現では、das ではなく es しか用いられません。

名詞に「性」がある以上、男性と女性が両極をなすのは当然で、イタリア語やフランス語
では男性名詞と女性名詞しかありません。中性名詞を持つ言語では、中性はいわばその両
者の間に立ち(中立的)、天候や時間という中立的な事物・事柄を表現するのに役立って
います。なお、イタリア語では主語人称代名詞は脱落することができますので("E`
nuvolosi." ドイツ語の "Es ist wolkig." に対応するが、主語人称代名詞は省略されて
いる)、天候表現の人称代名詞が男性か女性かは分かりづらいですが、il (ドイツ語の
er に対応)を用いるようですので、男性名詞が天候に用いられると考えることができそ
うです。フランス語も同じく("Il est nuageux." の il は男性名詞人称代名詞)男性名
詞が天候表現には用いられるようです。中性名詞がある言語体系では、このような「自然
現象」を表すときに中性名詞で中立的に使えますので便利です。Das ist Thomas の das
や、Ich bin's の es も、「何か性別を超越してそこに存在するもの」という感覚でとら
えれば、中性名詞が用いられるのもわかるような気がします。

返信4 返信-4
 2005/2/13 (日) 06:34:18 - ssaito - No.1107687652.4
再度の御説明有難う御座います。

そうしますと、欧州方面の言語には最初は中性が無くて、
ドイツ語で始めて中性語?が発生したというような歴史が
有るのでしょうか。

中性語の発生する土壌は何だったのでしょう。

※ 前回、前々回の返信は削除しました。

返信5 返信-5
 2005/2/13 (日) 11:38:00 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107687652.5
> そうすると、欧州方面の言語には最初は男性と女性だけしかなかったところへ、
> 後から中性が生まれて来たというような歴史的順序は考えられるでしょうか。

ヨーロッパの諸言語は、いくつかの例外(バスク語=孤立語/フィンランド語・ハンガ
リー語=ともにウラル語族/など)を除いて、同じ源を持つと考えられています。イン
ド・ヨーロッパ祖語(印欧祖語)と呼ばれている「祖先語」から枝分かれして、現在の諸
言語の系統があるとされています。そのため、印欧祖語を始祖語に持つ言語群のことを、
インド・ヨーロッパ語族(印欧語族、ドイツ語ではインド・ゲルマン語族と呼んだりす
る)といいます。この印欧語族に属する言語には、先に挙げた例外を除く欧州諸言語やペ
ルシア語、サンスクリット語、ヒンディー語などのアジアの言語も含まれます。それほど
大きな言語群なのです。どの言語が印欧語族に属するかは、(実際にはこんなに簡単な共
通性から判別されたわけではないですが、その1つの手がかりとして)たとえば基本語彙
(身の回り、たとえば親族関係を表すような語彙)に共通性を見いだし、この言語は似て
いる、この言語は似ていない、と判別されてきました。たとえば、古典サンスクリット
語、ラテン語、ギリシア語、英語、ドイツ語で、「父」と「兄弟」に対応する語を列挙し
てみますと:

    サンスクリット語 ラテン語 ギリシア語 英語 ドイツ語
「父」 pitar       pater  pater   father Vater
「兄弟」bhra"ter     fra"ter  phra"ter  brother Bruder ( a" = a の上に¨ )

という具合です。

これら印欧語族に属する諸言語の系統は、印欧祖語から「インド・イラン語派(古典サン
スクリット語、アッサム語、ヒンディー語、イラン語、ペルシア語など)」「ギリシア語
派」「イタリック (ラテン) 語派(ラテン語、イタリア語、フランス語など)」「ゲル
マン語派(ドイツ語、英語、オランダ語など)」「スラブ語派(ロシア語、スロヴェニア
語、チェコ語、ブルガリア語など)」などなど様々な語派に分かれています。中でも、上
で「父」「兄弟」の語彙の例を挙げた古典サンスクリット語やラテン語はその系統の中で
もかなり古いもので、いずれも現代では話者のいない(または非常に少ない)言語となっ
ています。

ところで、ようやく本題なのですが、これら古典サンスクリット語やラテン語では、男性
名詞と女性名詞に並んで中性名詞もありました。ですから、これを見る限りにおいては、
性の両極である男性名詞と女性名詞だけがまず最初にあって、後から中性名詞が加わって
きた、という考え方も一理ありそうですが、言語系統的には最初から中性名詞があったと
考えることも出来そうです。その中で現在でも中性名詞を残す言語と、もはや中性名詞は
失われた言語とがあるという見方をすればいかがでしょうか。なお、古典サンスクリット
語やスロヴェニア語などには「双数」という「数が2つのとき」のため(私たちが英語や
ドイツ語で慣れているのは、単数=数が1つ=と複数=数が2つ以上=の区別ですが)の
システムを持つ言語もあります。このシステムについても現代語まで残してきた言語とも
はや失ってしまった言語があります。

言語(語族)によって違う言語システムも、実は「祖語」というものからの派生過程にお
いて異なりを見せたのだ、と考えると、これらの問題にある程度の説明はできそうです。
では、中性名詞が失われた言語において、それが失われた土壌にはどんなものがあったの
でしょうね。専門外ですので、私にも分かりませんが、時間があれば調べてみたいと思い
ます。

返信6 返信-6
 2005/2/13 (日) 17:21:30 - ssaito - No.1107687652.6
懇切な返信を感謝致します。

系統図に並べて見ましたが、印欧祖語言語群とは大きいもの
なのですね。中東・インド語も含まれているのには驚きました。

身体の大きい強い人たちのアクセント・強弱の有る歯切れの
良い言語なのですね。

強い人たちはやがて中性的なものを排除してしまったのでしょうか。

形容詞の語尾変化について 引用
  2005/2/10 (木) 07:55:30 - LIDL - No.1107989730
こんにちは、簡単なことかもしれませんが、ちょっと教えてください。
ドイツ語学校の授業で、

Welche interessante Filme kennst du?

とありました。文法的にこれは正しいでしょうか?
私は3タイプの形容詞変化
1)定冠詞類+形容詞、2)不定冠詞類+形容詞、3)形容詞単独
のうち、1)のタイプに該当し、複数の4格で、
Welche interessanten Filme kennst du?
となると思ったのですが・・・・・。

もうひとつ、
einige +形容詞+名詞の場合はどれに当てはまるのでしょうか?

われわれの先生は純ドイツ人なんですが、
生徒の質問によく考え込んでしまって、ちょっと頼りないんですね・・・・。

返信1 返信-1
 2005/2/10 (木) 17:01:13 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107989730.1
> 1)定冠詞類+形容詞、2)不定冠詞類+形容詞、3)形容詞単独

これは、たしかにドイツ人でも、使い方に個人差があることがあります。ですから、ドイ
ツ人でも的確な説明をすることができない場合もあるかもしれません。
ドイツ人の先生に代わって、僭越ながら規則を挙げておきます。

念のため、文法書では、1) のタイプを「弱変化」、2) 「混合変化」、3) 「強変化」と
して説明しているものが多いことを確認しておきます。

まず、ご質問の welch- がつく場合は、

> Welche interessanten Filme kennst du?
> となると思ったのですが・・・・・。

ご指摘のとおりです。welche interessanten Filme となるのが一般的です。これは (1)
のタイプ(弱変化)ですね。

ただし、紛らわしいのは irgendwelch- の場合は、(1) の場合もあるし、(3) の一種で形
容詞単独の語尾と同じになるケース(強変化のまま)もあります。2通りあるわけです。
たとえば、

 mit irgendwelchem alten Zeug または mit irgendwelchem altem Zeug
 irgendwelche sinnlosen Schuesse (Th. Mann) または
 irgendwelche neue Arbeiten (Hesse)

> もうひとつ、
> einige +形容詞+名詞の場合はどれに当てはまるのでしょうか?

einig- の場合は、単数形(einige Hoffnung 「いくらかの希望」)の場合も、複数形
(einige Buecher 「数冊の本」)の場合でも、原則として (3) のタイプです。形容詞単
独の語尾と同じ語尾を持ちます。

 einiger jugendlicher Unverstand (単数)
 einiges geborgenes Mobiliar (Wiesbadener Kurier) (単数)
 einige uebernationale Aspekte (Die Zeit) (複数)
 die Machtentfaltung einiger wichtiger Staaten (Die Zeit) (複数)

ただし、男性/中性名詞3格の場合のみ、(1) のタイプ(弱変化)の傾向が強いようです。

 bei eingem guten Willen (Th. Mann)

他にも細々と変則的な側面があるようですが(たとえば einiges mildes Nachsehen の代
わりに、einiges milde Nachsehen (Th. Mann) も可能)、とりあえず、原則としては
einig- も (3)のタイプとして考えておくことができそうですね。なお、einig- と同種の
ものとして、viel- や wenig、etlich- があります。

 viele nette Namen
 wenige schoene Tage
 etliche schoene Buecher

これらは、viel heisses Wasser や wenig gute Freunde のように viel/wenig が無語尾
の場合もありますが。

その他、all-, manch-, solch-, (welch- はすでに言及)などは原則として (1) のタイ
プです。

全部を細かく紹介することはできませんので、部分的な紹介になってしまいましたが、参
考になれば幸いです。

返信2 返信-2
 2005/2/11 (金) 20:04:05 - LIDL - No.1107989730.2
詳しい解説をありがとうございます。

ドイツでは変化表の順番も,
上から,Nominativ,Akkusativ,Dativ,Genetivとなっていて,
日本でいうところの1格,4格,3格,2格の順番なのでちょっと混乱してしまいます。
問題を解きながら,何度も変化表を見ては,頭をひねっています。
ドイツ人の先生も回答に困るぐらいですからきっと難しいのでしょうね。
(welchの件は,間違っていたようで,翌日訂正されてました。)

頭で覚えるより,何度も声に出して読んで,リズムで覚えた方がいい気がしてきました。

>bei eingem guten Willen (Th. Mann)

先生の例にならい,前置詞などと一緒に覚えることをやってみます。


sollenの間接話法に関する質問 引用
  2005/2/1 (火) 00:01:24 - コロ - No.1107183684
頻繁に質問してしまいすみません。

sollenの間接話法についてなのですが、
Er fliegt nach Deutschland.
にsollenをプラスすると
Er soll nach Deutschland fliegen.(彼は渡独するそうだよ。)
となると思うのですが、
Er moechte nach Deutschland fliegen.
にsollenを追加し、「彼はドイツへ行きたいそうだよ」
とするにはどうすればいいのでしょうか。
また更に、過去完了で「彼はドイツへ行きたかったそうだよ」
とする方法をお教えください。

現在『必携 ドイツ語文法総まとめ』という本で調べたのですが、
助動詞のページに該当箇所が見当たらなかったので質問させていただきました。

よろしくお願いいたします。

返信1 返信-1
 2005/2/1 (火) 00:13:45 - コロ - No.1107183684.1
>また更に、過去完了で「彼はドイツへ行きたかったそうだよ」
>とする方法をお教えください。

過去完了ではなく現在完了です。すみません。

返信2 返信-2
 2005/2/1 (火) 14:20:44 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107183684.2
こんにちは。
話法の助動詞を2つ登場させたい場合はどうしたら良いか?についてですが、そんなに難
しくないと思います。今回の例で言うと

> Er moechte nach Deutschland fliegen.
> にsollenを追加し、「彼はドイツへ行きたいそうだよ」
> とするにはどうすればいいのでしょうか。

 Er soll nach Deutschland fliegen moechten. 「彼はドイツに行きたいようだ」

となります。sollen と moechten という2つの話法の助動詞があって、そのどちらかは
2番目の位置に置かれて、さらに主語と人称一致をしなければなりませんが、この場合は
「〜のようだ」という sollen のほうが、文の中で重要な意味(話し手の気持ち=「〜の
ようだ」という推量やうわさ)を表していますので、sollen を2番目に持ってきて、
moechten のほうは文末に置けば良いです。もちろん、逆の

 (参考)× Er moechte nach Deutschland fliegen sollen.

は言えませんので、そんなに問題にならないと思いますが。

> また更に、現在完了で「彼はドイツへ行きたかったそうだよ」
> とする方法をお教えください。

これも同じ手順ですね。まず sollen を使わない状態で文を作ると

 Er hat nach Deutschland fliegen wollen.
(または Er hat nach Deutschland fliegen gemocht.)

※ moechte は、元々は moegen という助動詞の接続法U式ではありますが、いまやこの形
で独立して助動詞として使われていると言っても良いでしょう。ただし moechte には対
応する過去形、過去分詞はありませんので、それらは wollte, hat ... wollen
(gewollt) で代用されることだけ注意してください。一応、moechte を元の moegen に戻
した上でその過去分詞 gemocht を使うことも可能でしょうが、こちらは稀です。
※ wollen (や koennen など)は、過去分詞が2形あります:
 〔本動詞が省略されて、wollen がまるで本動詞のように使われている場合〕
   Er will nach Deutschland. 彼はドイツに行きたがっている。
   Er hat nach Deutschland gewollt.
 〔本動詞がある場合〕
   Er will nach Deutschland reisen. 彼はドイツに旅行したがっている。
   Er hat nach Deutschland reisen wollen.
    (この場合は、wollen は過去分詞ですが、不定形と同じ形です)

以上、※印の部分は補足です。話を戻すと、"Er hat nach Deutschland fliegen wollen."
という文まで作ったんでしたね。さて、ここに sollen を入れれば、「彼はドイツに行き
たがっていたらしい」という表現ができます:

 Er soll nach Deutschland fliegen wollen haben.

いかがでしょうか。そんなに難しくないと思います。

※(またまた※印です!)
ただし、この最後の文を見てください。文末に動詞(本動詞も助動詞も区別しなければ)
がぞろぞろと3つも並んでいます。また、この中で wollen はここでは過去分詞として登
場しているのではありますが、しかし形の上では不定形(動詞の原形)と同じですね。そ
うすると、不定形の形をした動詞が3つも fliegen wollen haben と並んでいます。この
ような場合(=動詞の不定形が3つ連続する場合)は、実は最後のものを末尾ではなく、
後ろから3番目に移動させることもありますので、心にとどめておいていただければと思
います。

 (参考) Er soll nach Deutschland haben fliegen wollen.

以上が、話法の助動詞(また、haben という現在完了形の助動詞も含めた)が2つ以上登
場する場合のお話でした。

なお、今回のような「〜らしい、〜と言われている」という用法としての sollen は、
「間接話法」というには形式が違うような気もします。あくまでも文法用語の話ですの
で、あまり気にしなくても良いといえば良いのですが、「間接話法」は、er meint,
[...] とか sie sagt, [...] とかそういう形式(「彼が言うには」「…と言っている」)
の場合で、その場合は接続法T式(及び部分的にU式)を使うことになっています。たとえ
ば、sie sagt, [...] の形にしてみると、

(参考) Sie sagt, er wolle nach Deutschland fliegen.
    「彼がドイツに行きたがっている」と彼女は言っている。 wolle は wollen の
接続法T式

こういう形式を「間接話法」と呼ぶのだとすると、sollen の今回の用法は「“〜と言われ
ている”用法」とか「“〜らしい”用法」とか「“どうも〜らしい”用法」、つまり「推量用
法」とか「第三者主張用法」などと(一般的に何と名づけられているのかは分かりませ
ん)言うべきもので、「話法」ではないと思います。あくまでも「用法」レベルだと思い
ます。「話法」というのは「話しかた」ですから、やっぱり sagen とか meinen のよう
な動詞があるほうが自然のような気がします。
(かと言って、あまり気にしないでくださいね。仰りたいことはよく伝わりましたので!)

返信3 返信-3
 2005/2/3 (木) 22:50:20 - コロ - No.1107183684.3
ありがとうございます!

話法の助動詞は一つの文章に二つ使用出来ないと思い込んでいました。
ご説明いただいた項目についてはきちんと練習して慣れないと、
きっと頭の中でごちゃ混ぜになってきちんと話すことができないですね。
がんばります!

返信4 返信-4
 2005/2/4 (金) 09:36:03 - あーや - No.1107183684.4
田中様

>この場合は「〜のようだ」という sollen のほうが、文の中で重要な意味(話し手の
>気持ち=「〜のようだ」という推量やうわさ)を表していますので、

重要な意味、というより、

・<ドイツに行きたい>そうだ

というふうに、「そうだ」が「ドイツに行きたい」全体を伝聞化する外枠をなしていると
いうことですね。逆にいうと、「そうだ」という外枠の中に「ドイツに行きたい」という
情報内容が埋め込まれている。

揚げ足をとったようで申し訳ありませんが、「重要」と言っちゃうと「どっちが重要か」
で迷う人がいるかもしれないので。

返信5 返信-5
 2005/2/4 (金) 11:14:46 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107183684.5
あーや様

ご指摘ありがとうございます。

> <ドイツに行きたい>そうだ
> というふうに、「そうだ」が「ドイツに行きたい」全体を伝聞化する外枠を
> なしているということですね。逆にいうと、「そうだ」という外枠の中に
> 「ドイツに行きたい」という情報内容が埋め込まれている。

そうですね。もちろん、助動詞が2つあった場合に、どちらがどちらを“埋め込める”かと
いうことが言いたかったので、補足していただいて助かります。

<<ドイツに行きたい>そうだ>

この書き方、分かりやすくて良いですね。

コロ様、あーや様が書いてくださったコメントもご覧になって、さらにイメージを固
めていただければと思います。   (田中)

返信6 返信-6
 2005/2/5 (土) 23:01:04 - コロ - No.1107183684.6
あーや様、田中様

追加のご解説ありがとうございます!
「彼はドイツに行きたいに違いない」という場合も
「違いない」が「行きたい」を埋め込めるから
Er muss nach Deutschland fliegen wollen.
ということですね!

ドイツでドイツ語を勉強するということはたくさんのメリットを含んでいますが
私の理解能力がまだまだなのもあって、ドイツ人の先生に質問しても
自分の疑問を解決できないことがしばしばあります。
そういった際、母国語でしかもきちんと論理的に
説明していただけるのはとてもありがたく、助かります。

ありがとうございました。

接続法T式について 引用
  2005/2/6 (日) 01:40:45 - コロ - No.1107621645
次から次へとすみません。
接続法T式について分からない箇所がでてきてしまいました。

先日大家さんと話をした際、「彼は私にドイツへ行くと言った」という場合、
1と2は正しいが一見正しく見える3番の接続法ではない普通の文章は
本当は間違いだと聞きました。
1 Er hat mir gesagt, er fliege nach Deutschland.
2 Er hat mir gesagt:"ich fahre nach Deutschland fliege."
3 Er hat mir gesagt, er fliegt nach Deutschland.

「間接話法を使いたいなら本当のところは3の文章は間違いで、
接続法Tでなければいけないわ。それが面倒なら2を使うことになるわ。
みんな普段話しているときに、3で話しがちだけれどね。」
という説明を受けました。私は今まで何もしらず3のパターンを
使っていたのですが、今まで3と同じパターンの文章はたくさん見た
気がするのです。3の文章は間違いなのでしょうか。

よろしくお願いします。

返信1 返信-1
 2005/2/6 (日) 22:00:09 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1107621645.1
こんにちは。

> 1 Er hat mir gesagt, er fliege nach Deutschland.
> 2 Er hat mir gesagt:"ich fahre nach Deutschland fliege."
 (気がつきませんでした: Er hat mir gesagt: "ich fliege nach Deutschland."です
ね。)
> 3 Er hat mir gesagt, er fliegt nach Deutschland.

今回のご質問の件は、「書き言葉」と「話し言葉」で事情が少し違ってくる部分もあるで
しょうね。一般的に言って、「話し言葉」は「書き言葉」よりも“くだけて”表現すること
ができます。反対に、「書き言葉」は「話し言葉」よりも形式にこだわりきちんとした形
式で記述されることが多いということになります。

今回の3の表現方法は、書き言葉では適切ではありません。個人的に自分のホームページ
などで3のように書いている人がいる場合(実際、かなりの数でいるわけですが)、それ
は書き言葉であるのはもちろんですが、それと同時に“くだけた”形で書かれている(たと
えば日記とかそのようなもの。個人サイトであるという時点で、メディアが書く書き言葉
とは意味合いが違ってきます)と考えることが出来ます。他方、メディアが自社の新聞紙
面やサイト上に書くような書き言葉の場合は、相当に形式にこだわって書かれるわけで
す。従って、そのような意味の厳密な書き言葉では、1か2のパターンしかお目にかから
ないでしょうね。

くだけた話し言葉では、もちろん1や2のように言うことが多いわけですが、同時に3の
ように表現されることも少なくありません。大家さんは、きっと、コロさんにくだけた表
現方法は教えないつもりではないのでしょうが、まずは“形式的に正しい”ドイツ語を教え
てくれようとしてくださっているのではないでしょうか。ですから、後は、どこまでがく
だけているのかという線引きが難しいですね。「口語的な表現では、3の表現方法もたし
かにお目にかかる」ということはたしかに言えそうです。

返信2 返信-2
 2005/2/6 (日) 21:55:51 - コロ - No.1107621645.2

2の文がなんだかおかしくなってますね。。。
くだけた表現かどうかの問題だったのですね。
納得がいきました。ありがとうございます!




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