ドイツ語質問箱

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heute 引用
  2005/5/24 (火) 16:10:07 - Ssai-to - No.1116918607
お願いします。

NHKラジオドイツ語講座には、毎日 Fokus von heute と
いうページがあります。この表題は前置詞 von の後だから
名詞と第一感がるわけですが、副詞も来ることがあるという
ことで、辞書を引くと heute は副詞で、名詞はありません
でした。英語の today も日本語の 今日 も名詞扱いする
ことがあるわけですが、ドイツ語の heute にまったく名詞
という感覚がないのは、言語学的に興味の対象にはならないで
すか。

※ 漠然とした質問ですみませんが、 heute はなんとなく
名詞とばかり心の中で思っていたものですから、奇異に感じた
のです。

返信1 返信-1
 2005/5/24 (火) 22:36:31 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1116918607.1
そうですね、heute は副詞であって、名詞ではありませんね。(ただし、das Heute とい
う名詞があることはあります。これは「今日(こんにち)、現代」という意味で、
Gegenwart と同義です)。「本日」という意味で用いるときは heute という副詞で表す
ことになっています。一応、heute というように「語頭が大文字でない」ことか
らも、これが普通名詞でないことが分かります。なお、そのため、「本日」ということを
表すには der heutige Tag というように表現することも少なくありませんね。これです
と、Tag という語の助けを借りて、全体は「名詞」です。

品詞の捉えかたのズレについてですが、今回の heute に対応すると思われる日本語の
「今日」、英語の today、そして heute は、品詞に次のようなズレがあります:

 (日本語)今日・本日 【名詞】
 (ドイツ語) heute 【副詞】
 (英語) today 【副詞および名詞】(別に名詞としてだけ使われるわけではない)

日本語は、「今日(という日)に」のように、どうやら「助詞」の存在が欠かせないよう
です(実際は、「今日に」より「今日」という助詞無しの表現のほうが自然ですが、ここ
では脱落してはいるがやはり「助詞」の存在を前提とします)。ですから、ドイツ語や英
語で「副詞」扱いとなっているものでも、日本語の対応物は「名詞」で、そこに助詞がつ
くことによってはじめて副詞的にふるまえる、と考えられます。

また、英語の home に対応すると思われるドイツ語の Haus、日本語の「家・家庭」を見
てみると、

 (日本語)家 【名詞】
 (ドイツ語) Haus 【名詞】 (nachhause, zuhause という副詞もある)
 (英語) home 【副詞および名詞】

で、英語の home だけが2つの品詞として機能します。英語の home は副詞であることを
忘れて、"go to home" 「家に帰る」などとする誤用もあるぐらいです(本当は "go
home" で良い)。日本語は「家」、ドイツ語は nach Hause など、いずれも
【前置詞/助詞】のようなものが必要です。

このように、言語によって対応するような語でも品詞の区分が違うわけですから、英語や
日本語でその対応物が名詞であっても、heute は副詞であるというようなことも起こりえ
ます。

ただ、ドイツ語の heute も、副詞ではあるものの、「名詞的」な側面も持っていること
も事実です。たとえば Heute ist Feiertag. 「今日は祝日だ」という文では、あたかも
heute は名詞(主語)であるかのようにふるまっています。これは Es ist heute
Feiertag. という文に見られるように、本当は es という主語があって、heute は副詞と
して働いているものの変形ですが、heute にはやはり名詞的な側面もあるということは間
違いありません。

最後に、von という前置詞の後ろには(名詞だけでなく)副詞も来ることがある、という
点についてですが、von nun an 「今から」の nun のように完全に副詞であるようなもの
も来ます(これは、nun という副詞には heute - das Heute, jetzt - das Jetzt といっ
た類の名詞対応物がない、という意味です)ので、文法的には von heute という前置詞
句は問題ありません。

この問題意識は、言語学的にも、とても興味深いですね!

返信2 返信-2
 2005/5/25 (水) 17:04:06 - Ssai-to - No.1116918607.2
返信有難う御座います。

いろいろ考えなくてはならないのですね。

> この問題意識は、言語学的にも、とても興味深い・・・

愚問にならないで、良かったです。

日常会話 引用
  2005/5/21 (土) 21:30:07 - era - No.1116678607
少し質問させていただきます。
普通の友達同士の会話表現なんですけど、友達に「物理を教えて!」というには
「Lehre mir die Physik ! 」 でいいのでしょうか。

また、軽く「おめでとう!」と言うにはどのように表現すればいいですか。

返信1 返信-1
 2005/5/22 (日) 06:45:38 - Ssai-to - No.1116678607.1
いずれは、田中先生の御教鞭を仰ぐことと致しまして、
初学の参加をお許し下さい。

(1) > ・・・友達に「物理を教えて!」というには・・・

Lehr mal Physik!

として見ました。

(2) > ・・・軽く「おめでとう!」と言うには・・・

Gut gemacht!

などはどうでしょうか。

返信2 返信-2
 2005/5/22 (日) 19:15:57 - 田中雅敏 - <mail@doitsugo-ii.ne.nu> - No.1116678607.2
こんにちは。

>> 普通の友達同士の会話表現なんですけど、友達に「物理を教えて!」

eraさんと Ssai-toさんの書かれている表現で十分なので、補足としてコメントさせてい
ただきますと、

まず、lehren 「教える」は、【教える対象(相手)】を3格で表現する場合もあります
が、基本的には4格で表現する動詞だということです。jemanden etwas4 lehren 「〜に…
を教える」。従って
 Lehr(e) mich Physik.
とするほうが標準的かもしれません。

lehren の命令形は、lehr でも lehre でもどちらでも良いので、lehr(e) としておきます。

「命令形」で表現する場合には、たとえ“普通の友達同士”でも、やはり bitte を添えた
ほうがスマートだと思います。さらに、Ssai-toさんが書かれている mal を添えて
「ちょっとだけ(悪いんだけど)」というニュアンスを出すことも可能です。

 Lehr(e) mich bitte mal Physik! 「ちょっと物理を教えてちょうだい」

もう一つは、敢えて命令形にせずに、Kannst du 〜 や Koenntest du 〜 を使う表現方法
もあります。こちらは、直接的に「教えてよ」と要求するのではなく、「教えてもらえな
いかなあ?」と婉曲的に要求(形式的には、相手に「物理を自分に教えてくれる時間的、
物理的な余地があるかどうか」を尋ね、遠まわしに「要求」をするわけです)する方法で
す。こちらのほうが、より丁寧なお願い表現です:
 Kannst/Koenntest du mich bitte Physik? 「物理を教えてもらえる?」
(※ koenntest du のほうは、kannst du の接続法表現で、こちらのほうがより丁寧)

また、wenn du Zeit hast などを添えて、さらに丁寧にすることも可能です。
 Kannst/Koenntest du mich bitte Physik, wenn du Zeit hast/haettest?
「もし時間があれば、物理を教えてもらえる?(ありがたいんだけどなあ)」

友達とはいえ、相手の時間を拘束してもらうわけですから、場合に応じて丁寧に響く表現
形式も使い分けられると良いと思います。

>> また、軽く「おめでとう!」と言うにはどのように表現すればいいですか。

> Gut gemacht!

これは、「よくやったね!頑張ったね!おめでとう!」という感じですね。相手の努力が
報われたときに使ってあげると良いでしょう。これと似たものに
 Du hast es geschafft! 「君はそれを見事にやりとげた(なしとげた)ね!」
という意味で、「みごとだったね。おめでとう!」という表現です。

あと、Gratuliere! 「〔Ich gratuliere! の形でも使う〕(お祝いの意を表して)おめで
とう」なども使います。(※もちろん、Herzlichen Glueckwunsch / Herzliche
Glueckwuensche もありますが、これは“軽く”いうときの他に、フォーマルな場でも使い
ます。)

返信3 返信-3
 2005/5/22 (日) 22:36:56 - era - No.1116678607.3
Ssai-toさん、田中先生ありがとうございました。

そうですね。友達同士でも「bitte」を使った方がいいですね。
必要に応じて遠回しで言うべきときもありますし。

一言「おめでとう」というには語感的に「Gratuliere !」がいい気がします。(あくまでもフィーリングです
が。) 
賞を取った時なんかは「Gut gemacht!」があってそうですね。

なかなか使い分けるのは難しそうです。

Wem 引用
  2005/5/18 (水) 09:26:43 - katze - <メール送信> - No.1116376004 - 返信コールON
こんにちは。またまたドイツの民謡のタイトルの件でご質問です。
「Wem Gott will recchte Gunst erweisen」という曲があるのですが、
これはなにゆえ「Wem will Gott rechte Gunst erweisen」ではないのでしょうか。
最後に疑問符が付いていないことから、
「疑問文ではないのかな...Wemは関係代名詞なのかな?」という推測はつくものの、
この「Wem」をどのように理解してよいのかわからなくなってしまいます。
かつての「旧い2格」のようなものに則っているのでしょうか?
お忙しいところすみませんがよろしくお願いします。

返信1 返信-1
 2005/5/19 (木) 01:01:26 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1116376004.1
こんにちは。
今回の表題の一文ですが、テキストの前後関係を見ないとはっきりとしたことが見えてこ
ないと思いましたので、曲の歌詞の続きを調べてみました:

Wem Gott will rechte Gunst erweisen,
Den schickt er in die weite Welt,
Dem will er seine Wunder weisen
In Berg und Wald und Strom und Feld.

これを見ますと、2行目と3行目の den, dem が誰を指しているのかが、1行目の助けな
しでは分からないことが分かります(変な日本語!?)。つまり、2行目を単独で読んで
みても「その者を彼(=これは Gott だと分かります)は世に送った」という程度しか分
からず、「その者」とは誰なのか見えてきません。3行目も同様です。

> Wem は関係代名詞なのかな?」という推測はつくものの、

しかし、ご指摘のとおり、1行目の wem が【関係代名詞】であることに気が付くと、
「神が本当の愛を示したいと思っている者」(1行目)を「(神は)世に遣わした」(2
行目)、「その者に(神は)自分の奇跡の力を示そうと思った」(3行目)と解釈できま
す。これは、たとえば、

(参考)Wer Lust hat, kann mal reinschauen. 「興味がある人は一度見てみて」

などの例に見られるものです。ここでは wer という(不定の)関係代名詞が用いられて
いますが、wem はその3格形です。

つまり、問題の wem は、2行目・3行目の den/dem と呼応していると考えられるわけで
す。以下の(1)のように書いてみるとわかり易いと思います。この wem, den, dem の
一連の代名詞で表されているのは、たとえば「イエス・キリスト」である、などと考えれ
ば良いことになります。

ただし、相変わらず will の位置は変則的ですね。この場合、

 [Wem Gott rechte Gunst erweisen will], [den] will er ... ・・・(1)

となるのが標準的な語順だと思います。(その意味で、wem が関係代名詞であると解釈す
る上においては、"Wem will Gott..." の語順は相応しくありませんね。これだと純粋に疑
問文になりますので、「神は誰に本当の愛を示したいの?その者を神は世に送りたいんだ
よ」というように(ちょっと)不自然なつながりになります。それよりは、「神が本当の
愛を示したい者、その者を神は世に送りたいんだよ」という(今回仮定している)解釈の
ほうが自然のような気がします)。
 ただし、これは曲の歌詞(つまり詩のようなもの)であるということから、will の位
置が(1)にあるような本来の文末位置ではなく、変則的な位置に置かれていると考えて
おけばよいと思います。文体(スタイル)上の問題とかそんなところでしょうか?

返信2 返信-2
 2005/5/19 (木) 07:55:57 - katze - No.1116376004.2
田中先生、こんにちは!
歌詞まで調べてくださってありがとうございました。
(なるほど・・私は歌詞調査など全く頭に浮かばず、タイトルだけを
見て(捉えて)おりました。)
やはり関係代名詞なのですね。2行目で納得がいきました。が、
おっしゃるとおり「will」の位置にはいまだ疑問が残ります・・。
けれど、ご指摘のとおり、詩(詞)ですから変則的な
(響きや語感の良い)フレーズになっているのでしょうね。
本当にありがとうございました。歌詞対訳まで付けていただき、
大変お得な気分です(^^)

lohnen 引用
  2005/5/9 (月) 16:42:44 - Ssai-to - No.1115624419
お願いします。

Es lohnt sich, die Oper zu besuchen.
( このオペラは行く価値があります。 )

この例文の lohnen は辞書を見ますと、 sich は 4 格であり

《自》《再》〜報われる、かいがある、割に合う、意義(価値)がある

などの語彙が充ててあるわけですが、「 sich4格=(自ら)『を』 」
という直訳和訳感覚( 自らを報われる、自らをかいがある、自らを割に
合う、自らを意義(価値)がある )ですと、いささか違和感があります。

「 sich3格=(自ずから)に 」ならなんとなくしっくり来るようなのですが、
sich が 4 格である必然性は lohnen という語の歴史にたどること
が出来るでしょうか。

返信1 返信-1
 2005/5/10 (火) 15:26:31 - 田中雅敏 - <mail@doitsugo-ii.ne.nu> - No.1115624419.1
こんにちは。
今回のケースは、他動詞を「自動詞化」する手続きとして理解することができます。その
際に、再帰代名詞 sich が必要になります。

これは、今回の lohnen に限らず、freuen でも informieren でもなんでも良いのです
が、もともと他動詞は「他の誰かに働きかけ」をします。その働きかける対象を、sich
を使うことによって「自分に向けて働きかけ」をするように表現することで、自動詞的な
効果を引き出すものです。

たとえば、freuen では、
 Ich freue ihn. 「私は彼を喜ばせる」(Das freut mich. も他動詞の例)
が他動詞であるのに対し、
 Ich freue mich. 「私は喜ぶ(=私は自分自身を喜ばせる)」
という自動詞的な表現(働きかけをするが、その働きかけが自分自身に向かっているとい
う意味で自動詞的)をすることができます。

今回の lohnen も、他動詞としては「(他の誰かを)報いる」という意味あいがあり、こ
れは(相手が人間であれば)たいていの場合「賃金・報酬の支払い」が伴います。
(例)Ich habe ihn gelohnt. 「彼に報酬を支払った」
(例2)Ich habe ihm seine Hilfe gelohnt. 「彼の手助けに対して報酬を払った」
※例2は、ihm という3格が必要ですが、最終的には「彼がしてくれた手伝い・苦労」に
対して報いる(報酬をあげる)ので、4格目的語こそが、「報われる対象」です。

また、目的語が人間ではなく事物である場合もあります。
(例3)Die Stadt lohnt den Besuch. 「この町はわれわれが訪れることに報いてくれる
(訪れる価値がある)」

さて、これを sich を用いた形にしてみると、

[Der Besuch der Stadt] lohnt sich. 「この町を訪れることは、それ自体を報いること
になる(=例3と同義)」(主語は [ ]内全体)

そこで、今回の表題の

> Es lohnt sich, die Oper zu besuchen. ( このオペラは行く価値があります。 )

も、es が主語(さらに言えば、[die Oper zu besuchen] が真主語です)で、「そのオペ
ラに行くこと」その行動そのものが、それ自体を報いるだけのものである、つまり、行く
価値がある、ということを表しています。

まとめとして、Ssai-to さんの記述をお借りしますと:

【lohnen】
@《他》〜報いる、甲斐を見出す、割に合わせる、意義(価値)を見出す
A《再帰代名詞とともに、自動詞的に》〜報われる、かいがある、割に合う、意義(価値)
がある

という感じになるでしょう。
------
以上で、sich が4格である理由(他動詞の目的語だから)は説明ができましたので、以
下は余談です。lohnen には、sich を用いずに自動詞として働く用法もあるにはありま
す。この場合、自動詞ですから、「報いる対象」は4格ではなく3格で表します。
(例4)Er hat mir fuer meine Muehe gelohnt. 「彼は、私の苦労に対し報いて
くれた」 ※ jemandem fuer etwas lohnen という形です

lohnen が自動詞の場合は、当然、
(例5) Der Besuch der Stadt lohnt.
というような表現も可能になります。sich がないと、何か“座りが悪い”感じがします
が、ここでは自動詞として解釈していますので、これも可能です。

返信2 返信-2
 2005/5/10 (火) 16:10:00 - Ssai-to - No.1115624419.2
返信有難う御座います。

> 他動詞を「自動詞化」する手続きとして・・・再帰代名詞 sich(4格)
> が必要になります。

ということで判りました。また、理論的には・・・

Die Oper zu besuchen lohnt.

もあり得るが、 sich(4格) を使って「 自動詞化 」した表現の方が
落ち着きが良いのであると理解しました。

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