ドイツ語質問箱

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ページ 82 (811〜820)
Das Nibelungenlied ( 3-93 ) 引用
  2006/5/17 (水) 12:59:10 - Ssai-to - No.1147838239
お願いします。

3 Aventiure: Wie Siegfried nach Worms kam

93 Da gaben sie ihm das Schwert Nibelungs zum Lohn. Mit der
Hilfe, um die sie Siegfried, den trefflichen Helden, gebeten
hatten, waren sie jedoch sehr schlecht beraten. Denn er konnte
es ihnen nicht recht machen, und darueber waren sie sehr aufgebracht.


伝ニベルンク なるの剣
彼らは彼に 報償の
しるしなりとて 与えたり

これなる勠力(りくりょく) これ彼ら
かの卓抜の 勇士たち
ジークフリートに 希(こいねが)い
頼み依りたる ものなれど
いささか不都合 出で来たり

というは彼の その助力
彼らにとって 適切な
ものとなり得ず その為に
彼ら甚(はなは)だ 仲違い


(1) zum Lohn は次の文の Mit der Hilfe に対して
という意味ですか。
(2) これは先を読んで見ないと判りませんが、第三文の
 aufgebracht は Nibelungen 達の仲違いと取って良いですか。

返信1 返信-1
 2006/5/18 (木) 00:23:07 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147838239.1
>(1) zum Lohn は次の文の Mit der Hilfe に対して
> という意味ですか。

はい、このジークフリートの Hilfe に対する報酬でしょう。ニーベルンゲンたちがジー
服リートに依頼した“手助け”とは、すなわち前節の

> Alles dies sollte der tapfere Siegfried unter ihnen verteilen

ですね。ですから、前節の内容を受けて、zum Lohn と書いてあるのだと思います。

"mit der Hilfe" の部分そのものは次の話になっています。"mit 〜 schlecht [gut]
beraten sein" で「〜でもって、悪い [良い] 考えになる」という表現で、「彼らがジー
クフリートに頼んだ手助けでもって、彼らはひどいことになった」

> (2) これは先を読んで見ないと判りませんが、第三文の
>  aufgebracht は Nibelungen 達の仲違いと取って良いですか。

aufgebracht は "ueber 〜 aufgebracht sein" の構文で「〜について憤慨する」という
意味です。ここでは、本節の第4文前半の「ジークフリートは彼らに平等に分配できな
かった」とあることに対して憤慨しているということが記述されています。そこから彼ら
が仲違いを始めるかどうかはこの先を読んでみないとちょっとわかりません。

返信2 返信-2
 2006/5/18 (木) 05:42:50 - Ssai-to - No.1147838239.2
何か自信が無かったのですが、やはり誤訳をしていました。


> …
> いささか不都合 出で来たり

> というは彼の その助力
> 彼らにとって 適切な
> ものとなり得ず その為に
> 彼ら甚(はなは)だ 仲違い

のところは、


酷(ひど)い不都合 出で来たり

というは彼の 分配は
彼らにとって 適切な
ものとなり得ず その為に
彼ら甚(はなは)だ 憤慨す


として見たいと思いますが、良いようですか。
( これも想像ですが、国や生まれ育った環境が違いますから,
Siegfried と Nibelungen の各種宝石に対する価値観が
大分違っていたのでしょうか。 )

返信3 返信-3
 2006/5/18 (木) 13:18:00 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147838239.3
訳出はこれでよいのではないかと思います。

> 国や生まれ育った環境が違いますから,
> Siegfried と Nibelungen の各種宝石に対する価値観が
> 大分違っていたのでしょうか。

どうなんでしょうね。すべてが同じ価値の宝石ばかりなら、人数分(頭数)で割ればよ
かったのでしょうが、実際には各種宝石があり、それぞれの価値が違うために、きれいに
平等に分配することが難しかったのかもしれませんね。ニーベルンゲンたちは、向こうか
らジークフリートが近づいてきたとき、それが英雄ジークフリートだと認めたうえで、宝
の分配の役目を頼んだのですから、文句を言わなければ良かったのではと思うのですが。
ジークフリートとしては、頼まれたので健気にそれに応えるべく財宝を分配したのに、そ
れが不服だと激怒されたのでは、心中穏やかではないでしょうね。

返信4 返信-4
 2006/5/18 (木) 14:48:39 - Ssai-to - No.1147838239.4
応答、有難う御座います。頂きました comment を読んで、
第91,92,93詩節と僕は勘違いして来ていることに
気がつきました。財宝をそこに居合わせている Nibelungen
 皆と Siegfried も仲間に加わって分配するのだと思って
いたのです。全財宝を Schilbung und Nibelung の二人で
分配を受けるのですね。それで…


第91詩節 > ジークフリート 仲間にて 是れなる宝 分かたむと
は、
「 ジークフリートに 頼み込み 是れなる宝 分かたむと 」

第92詩節 > これをそっくり 彼らから 共に分かちて 配らるる
は、
「 これをそっくり 両人に 分かち配りて 給いたり

第93詩節 > 彼らにとって 適切な
は、
「 二人にとって 適切な 」


のようにした方が、判りやすいと思われました。これで良いですか。

返信5 返信-5
 2006/5/18 (木) 17:46:23 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147838239.5
> 財宝をそこに居合わせている Nibelungen 皆と Siegfried も仲間に加わって
> 分配するのだと思っていたのです。全財宝を Schilbung und Nibelung の二人で
> 分配を受けるのですね。

私も、Siegfried は頼まれて「宝の分配役」を引き受けただけで、彼本人には宝の分け前
はないと理解しています。その代わり、Siegfried にはお礼(報酬)として剣が贈られて
います(この剣も宝の山の中のものでしょうが、これは報酬ですので“分配”とは関係ない
と思います)。
ただし、Siegfried は別にして、宝の山を分配されたのは Schilbung と Nibelung だけ
ではなく、他にも大勢の男たちがおり、彼ら全員が分配に不服だと憤慨しているのではな
いでしょうか。

詩節88に、

> [...] traf der Held vor einem Berg [...] viele tapfere Maenner
> beim Schatz der Nibelungen.

という記述があります。ですから、91〜93節は、「両人/二人」ではなく、やはり
「彼ら一同(ニーベルンゲンたち)」ということでよいのではないかと思いますが、いか
がでしょうか。

返信6 返信-6
 2006/5/18 (木) 20:01:34 - Ssai-to - No.1147838239.6
suggestion を有難う御座います。では、また前に戻して
一部の改訂を加え…


第91詩節 
「 ジークフリートに 頼み込み 是れなる宝 分かたむと 」

第92詩節
「 これことごとく 一同に 分かちて配り 給いたり

第93詩節
「 というは彼の 分配は 彼らはにては 妥当なる 」


として見たいと思います。これで意味が繋がりますか。

返信7 返信-7
 2006/5/19 (金) 14:12:45 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147838239.7
よく意味がつながっているように感じます。

Das Nibelungenlied ( 3-92 ) 引用
  2006/5/15 (月) 08:54:37 - Ssai-to - No.1147650877
お願いします。

3 Aventiure: Wie Siegfried nach Worms kam

92 Wie es heisst, bekam er so viele Edelsteine zu sehen und sogar noch
mehr rotschimmerndes Gold aus dem Land Nibelungs, dass hundert Wagen
es nicht haetten befoerdern koennen. Alles dies sollte der tapfere
Siegfried unter ihnen verteilen.


これすなわちは 我が君や
数多の貴石 のみならず
無垢に輝く 純金は
ニベルンク族の 地に産す
これまた大量 百台の
馬車も運び 得ざるほど
目の辺りにぞ 致しけり

ジークフリート 勇の君
これをそっくり 彼らどち
共に分かちて ありぬべし


(1) Wie es heisst,… の es は何を表しますか。
(2) …, dass hundert Wagen es nicht haetten befoerdern koennen.
の es は何を表しますか。
(3) 第二文の sollte は、上は古語で逃げているのですが、
どういうニュアンスで訳出すれば良いですか。

返信1 返信-1
 2006/5/16 (火) 16:50:17 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147650877.1
> (1) Wie es heisst,… の es は何を表しますか。

この場合の es は何も表しません。いわゆる漠然とした形式的な主語で【非人称構文】と
呼ばれるものです。天候のときの es (例 Es regnet. Es friert mich. など) と同じ
で、漠然とした主体が隠されています。そこで、Es heisst... というのは、具体的に誰
かがそういうのではなく、「〜といわれている、〜といううわさである」という意味合い
になります。wie es heisst は、「そういわれているように任せて表現すれば」という意
味で、意訳すれば「噂では、伝えられているところによれば」という意味合いになるで
しょう。

>(2) …, dass hundert Wagen es nicht haetten befoerdern koennen.
> の es は何を表しますか。

こちらの es は(1)の es とは違い、先行する文の中の語を受けている【人称代名詞】
です。es は、標準的には【中性名詞・単数】のものを照応しますが、それと同時に
「性・数」の区別なく照応できる機能もあります。また、語ではなく文全体や状況(文
脈)という大きなものを受けることもあります。
 ここでは so viel [...], dass ... の構文から、es = Edelsteine とも考えられます
し、その後ろの Gold までも含んでいるかもしれません。そのどちらかだと思います。

>(3) 第二文の sollte は、上は古語で逃げているのですが、
> どういうニュアンスで訳出すれば良いですか。

これは、ニーベルンゲンたちがジークフリートに「宝の分配の役目」を依頼している状況
ですので、sollen は「他者の意思」の意味で訳すと良いでしょう。sollen にも様々な意
味合いがありますが、その中に「自分の意思は wollen、他者の意思は sollen で表す」と
いう表裏一体の機能があります。
(例) Du sollst alles haben, was du brauchst.
    → Ich will dir alles haben, was du brauchst.
 「君が必要とするものは何でもあげるつもりだ」
    Du sollst dich hier wie zu Hause fuehle.
    → Ich will es, dass du dich hier wie zu Hause fuehlst.
 「家にいるような気持ちでくつろいでください(それを私が望む)」

ですから、ここは「ジークフリートは(ニーベルンゲンたちに依頼されて/望まれて)すべ
てを分配することになった」というような意味になります。他者の意図として「〜に望ま
れて」というのが隠れていることがこの場合の sollen のポイントです。

返信2 返信-2
 2006/5/16 (火) 20:16:35 - Ssai-to - No.1147650877.2
御説明、解りました。それで、次のようにして見ました。


伝え聞こえて 説道(いうならく)
ジークフリート 我が君は
数多の宝石 のみならず
無垢に輝く 純金も
ニベルンク族の 地に産す
これまた大量 百台の
馬車も運び 得ざるほど
目の辺りにぞ 致しけれ

ジークフリート 勇の君
これをそっくり 彼らから
共に分かちて 配らるる


で、内容が掴めていますか。

返信3 返信-3
 2006/5/16 (火) 21:47:34 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147650877.3
原文に忠実な訳がなされていると思います。

発音を・・・。 引用
  2006/5/13 (土) 19:17:43 - アクア - No.1147515463
とつぜんすみません。

ドイツ語で『木のぬくもり』は『W&auml;rme eines Baumes』であっていますでしょうか?

また発音をカタカナ表記でおしえていただけませんか?

返信1 返信-1
 2006/5/15 (月) 23:58:56 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147515463.1
返信が遅くなってすみません。

> ドイツ語で『木のぬくもり』は『W&auml;rme eines Baumes』であっています
> でしょうか?

たしかに、Waerme eines Baumes でも意味はわかりますが、これですとある特定の一本の
木の温かみだけを言っているように響きますね。木が本質的に温かみを持っていることを
言うには別の言いかたが良いかもしれません。「木」はたしかに根をはって立っているも
のも温かみがありますが、「木のぬくもり」というときには「木材」を指すことがほとん
どではないでしょうか。そこで、Holz という語を使って、Holzwaerme とすると良いと思
います。

> 発音をカタカナ表記でおしえていただけませんか?

この場合、カタカナで書くと、一番近いのは「ホルツヴェァメ」です。/r/ は弱い曖昧母
音「ァ」です。
なお、Waerme eines Baumes を発音するのであれば「ヴェァメ アイネス バウメス」です。

勉強のおかげで 引用
  2006/5/13 (土) 18:26:19 - 藤田伊織 - <mocfujita@aol.com> - No.1147512379
お礼と報告
DW-WORLDというインターネット放送局に次のようなメールを出しましたら;

Lieber Meine Damen und Herren;

Ich lerne Deutsch, weil ich nach Deutschland fahren moechte, um Musik
zu lernen. Aber ich finde, "Einstein" muss "One Stone" sein. Herr
Ludwig van Beethoven sagte, Bach ist nicht "Small Brook", sondern
"Gross Mer" und "Graeat Sea". Ich glaube schon. Dann habe ich
gemerkt: "Einstein" muss "Grossfeld" sein.
http://www.geocities.jp/imyfujita/galaxy/galaxy01.html

Mit freundlichen Gruessen
Ihr Iori Fujita
http://www.geocities.jp/imyfujita/galaxy/galaxy01.html

次の返事が返ってきました;

Sehr geehrte Frau Fujita,

Vielen Dank f&uuml;r Ihre E-mail und entschuldigen Sie bitte die versp&auml;tete
Antwort.

Wir haben Ihre Kommentare mit Interesse gelesen und Ihr Schreiben an die
zust&auml;ndige Redaktion weitergeleitet.
Wir freuen uns immer dar&uuml;ber, wenn unsere User uns schreiben und uns ihre
Meinung mitteilen oder Kritik &uuml;ben - sei sie negativ oder positiv.

Mit freundlichen Gr&uuml;ssen

私が Frau と思われたのは、残念ですが、初めて書いたドイツ語が伝わったことはとてもう
れしく思いました。

返信1 返信-1
 2006/5/15 (月) 23:58:43 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147512379.1
こんにちは。
DW-WORLDの担当者さんも興味を持って藤田様の論を読んだとありますね。自分のドイツ語
が相手に通じて、それに対して返事が来るというのは嬉しいですね。こちらのドイツ語が
相手にきちんと伝わってなければ相手も返事のしようがないわけですから。このような
「通じた!こんな具合にコミュニケーションすれば良いんだな!」という自信を手に入れ
ていくことが大切で、とても素敵なことだと思います。
私も、自分の担当授業では、学生にドイツにクリスマスカードを書かせています。私のド
イツにいるドイツ人の友人に頼んで、受け取ったら返事を書いてくれるように言ってあり
ます。欧米ではクリスマスカードは日本でいうところの年賀状ぐらい重要な季節の挨拶で
すので、友人たちも趣旨に賛同して協力してくれています。学生のみなさんは、自分たち
が書いたカードに対して返事が届くということに感激してくれているようで、まさしく藤
田様と同じような体験をして色々と学んでくれているようです。

それにしても、Ihr Iori Fujita と書いているのになぜ女性扱いをされてしまったので
しょうね。姓のほうであるとは分かりつつも、Fujita の -a が目に入り、それに引っ張
られてしまったのかもしれませんね。-a は女性の名前に多い語尾です。Andrea,
Brigitta, Anna, Hanna, Julia, Swenja, Anja, Mirja などなど。

Das Nibelungenlied ( 3-91 ) 引用
  2006/5/9 (火) 09:09:56 - Ssai-to - No.1147133396
お願いします。

3 Aventiure: Wie Siegfried nach Worms kam

91 Schilbung und Nibelung empfingen Siegfried sehr zuvorkommend. Auf
allgemeinen Beschluss hin forderten die jungen, edlen Fuersten ihn auf,
den Schatz unter ihnen aufzuteilen. Sie drangen heftig in ihn, und
schliesslich willigte der Herr ein.


シルブンクして ニベルンク
ジークフリート 歓迎し
丁重至極 出迎えり

衆議に決し 申し出で
若々しくも 高貴なる
第一人者の 彼の二人
ジークフリート 仲間にて
是れなる宝 分かたむと

彼ら頻りの 持ち掛けに
ジークフリート 彼の君も
ついには承知 なさりけり


(1) …edlen Fuersten ihn auf, den Schatz unter ihnen aufzuteilen.
のところの zu 不定詞句の , は必要不可欠ですか。
(2) Sie drangen heftig in ihn, und… の in ihn を in ihm としたら
誤りですか。

返信1 返信-1
 2006/5/12 (金) 09:21:13 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147133396.1
こんにちは。返信が遅くなりました。

>(1) …edlen Fuersten ihn auf, den Schatz unter ihnen aufzuteilen.
> のところの zu 不定詞句の , は必要不可欠ですか。

新正書法では、主文と従属文(ここではzu不定詞句)の区切れが明確な場合には Komma
は省略できることになっています。口でいう限りでは、Komma の有無に関わらず、相手に
一番的確に言いたいことが伝わるように適当な“間”を置きながら話しますので区切れが不
明瞭になることはありません。しかし、書かれた文の場合、Komma や Punkt などの句点
がないと、読む人に不必要な混乱を与えることになりますので、「文を明確にし、その文
の持つ情報が正しく伝達される」ために、句点をうまく使わなければなりません。
今回の箇所では、Komma を省略してしまうと、

[...] forderten die jungen, edlen Fuersten ihn auf den Schatz [...]

分離動詞 auf|fordern の前つづりの auf が、zu不定詞句の中の目的語 den Schatz と並
んでしまい、あたかも auf den Schatz (その宝の上に〜) という句を形成しているかの
ように見えてしまいます。もちろん文の構造を考えると、解釈はおのずと見えてくるので
しょうが、たとえ母語話者でも区切れがあいまいな文章は解釈に一瞬困るものです。こう
いう現象(こういう区切れがはっきりしない文)のことを「袋小路文(迷路文)」といい
ます。日本語の例ですと、

「わたしは交差点で迷子を助けた高校生をほめた」

文は左から右に読みますので、まずはじめは「わたしが交差点で迷子を助けた」と解釈し
ます。ところが、途中で「高校生をほめた」が登場するので、先の「わたしが迷子を助け
た」という解釈をいったん解体しなければなりません。そして「交差点で迷子を助けたの
は高校生であり、わたしはその高校生をほめた」という解釈を再構築しなければなりませ
んね。このような袋小路文を避けるには、

「わたしは、交差点で迷子を助けた高校生をほめた」

というように「わたしは」の直後に読点を置けばよいので、ドイツ語の場合にも「文の明
瞭化」のために句点をおきます。

> (2) Sie drangen heftig in ihn, und… の in ihn を in ihm としたら
> 誤りですか。

dringen という動詞は「(障害物などにめげず)推し進める」というのが語義です。そこ
から in という前置詞句を伴って、「AをBの中へと強く押し込む」という意味になり、
Bがヒトの場合には「Bを強く説得する」などの意味が生じます。ドイツ語では "in B"
という場合、それが「Bの中へと(中へ向かって)」という「方向を持った動き」を表す
ときには「in は4格支配」であると決まっています(一部、方言ではこのような格支配
が標準ドイツ語とはずれているものもありますが)。in の他、an, auf, hinter, neben,
unter, ueber, vor, zwischen という前置詞が「方向を持った動き」で4格支配、「その
場にある静止状態」で3格支配という【3・4格支配】という概念で説明されます。

静止: Doch, der Ball war im (in dem) Tor gewesen! 「いや、あのボールは
ゴールしていたぞ!」(3格支配)
動き: Er hat den Ball dreimal in einem Spiel <u>ins (=in das) Tor geschossen.
「彼はハットトリックを決めた(一試合で3ゴール決めた)」

ですから、in ihn dringen で、「(強引に説得するなどして)自分の意見を彼の心の中
へと押し込む」ということで、in ihn のほうが適切であると思われます。

返信2 返信-2
 2006/5/15 (月) 08:34:38 - Ssai-to - No.1147133396.2
御説明を有難う御座います。解りました。

訳出の方は良いということにして頂きまして、
次へ参ります。

初めまして 引用
  2006/5/9 (火) 23:06:34 - saku - <メール送信> - No.1147183594
初めまして 私はドイツ語を今初歩的なものをしてますが
中々うまく語訳ができ無いので良かったらメールで個人的に
教えてくれる方を探してます。本当にちょっとした文とか・・
どういうときに使う単語とかですが・・良ければメール
よろしくお願いします。

返信1 返信-1
 2006/5/12 (金) 09:37:26 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1147183594.1
こんにちは。当サイトの管理人の田中です。
その後、どなたから文通のなどの申し出はありましたでしょうか?
もしよろしければ、この掲示板(ドイツ語質問箱)に分からない点があるたびに書き込み
をしていただいても構いませんし、個人的に私にメールしていただいても構いません。そ
のときの都合によるため、あまりスピーディなやり取りはできないと思いますので、他の
方とのやり取りの合間の補助的な手段としてでもご活用いただければと思います。
mail@daisuki-doitsu.info

Freundの使い方について 引用
  2004/9/16 (木) 21:47:18 - コロ - No.1095338838
はじめまして、Freundの使い方についてわからない部分があるので
お教えいただけましたら幸いです。

「mein Freund」と言ってしまうと「私の友だち」ではなく「恋人」の意味に
なってしまうということはドイツ語を習い始めの頃に教わったのですが、
例えば「親友」という意味合いで「Er ist mein bester Freund.」
と言うことはできるのでしょうか?それとも「複数いる恋人の中で、一番の恋人」と、
誤解されてしまうのでしょうか?
特にmeinを付けずに「Er ist der beste Freund.」という方が普通なのでしょうか。

間の抜けた質問かもしれませんが、よろしくお願いします。

返信1 返信-1
 2004/9/20 (月) 21:30:53 - 田中雅敏 - <mtanaka@hiroshima-u.ac.jp> - No.1095338838.1
こんにちは。返事が遅くなりました。数日間、出張で留守をしていました。

そうですね、通常、異性のことを指して "mein Freund / meine Freundin" というと、
「恋人(ボーイフレンド・ガールフレンド)」という意味になります。「恋人」という
意味にとられてしまうのを避けるには、"ein/e Freund/in von mir" という言い方を
すれば良いのです。そうすると、「たくさんいる友達の中の1人の友人」ということに
なります。ein/eine という、「ある・ひとつの」という意味を持つ不定冠詞をうまく
使ってください。

さて、「親友」という表現についてですが、"best" を使うときに注意してほしいのは、
これは「最上級」と呼ばれるものだということです。つまり「最善の、最高の、最愛の、
最大の、最小の、最長の、…」などなど、「世の中で一番○○なもの」ということを
表す表現で、これらは「形容詞の最上級」と呼ばれます。この「最上級」の特徴は、
あくまでも世の中においてただ1つしかないということです。日本で一番高い山は
富士山ですし、一番大きな湖は琵琶湖です。日本に2つとありません。これは類推的に、
世の中に太陽が1つしかなく、月もひとつしかない、ということと同じです。これら
「唯一的なもの」には定冠詞(der, die, das など)を付けることになっています。
文脈がどうかによらず、話し手にも聞き手にも「唯一的なもの」はいつでも「定まった
対象物」だからです。そこで「ベストフレンド」は der beste Freund von mir /
die beste Freundin von mir という形で表しましょう。さきほどの "ein Freund
von mir" のときと同じように、「私の」という部分を "von mir" で表せばよいです。
→ "Er ist der beste Freund von mir."(彼は私の一番の親友だ)
「一番の親友」は通常は1人しかいません。もし「親友」ということだけを伝えた
ければ "Er ist ein guter Freund von mir."(彼は、私の良き友だちの1人だ)と
なります。
※ただし、日常的には、コロさんが書かれている "mein bester Freund" も「私の
親友」という意味で使われます。

従って、
 >「Er ist mein bester Freund.」
これで結構です。
 > 「複数いる恋人の中で、一番の恋人」と、誤解されてしまうのでしょうか?
「恋人」は "Freund/in" という一語で表されるのであって、"best" が付くとそれは
「恋人」ではなく「一番の親友」という意味です。そもそも、恋人が複数いるというこ
とは常識的には考えにくいので、そのような誤解はあまり起こりにくいと思われます。
(田中)

返信2 返信-2
 2004/9/22 (水) 02:31:13 - コロ - No.1095338838.2
とても丁寧に解説していただいてありがとうございました!

そうですね、落ち着いて考えてみれば最上級なのだから文法的には
定冠詞をつけなくてはいけませんでした。
でもmein bester Freundも使われることがあるのですね。
大変参考になりました。

現在は独学のため、周りに聞ける人がいないので
参考書でわからないとつまづいてしまうんです。
これからも調べてわからない部分があったらご教授ください。
本当にありがとうございました!

返信3 返信-3
 2006/5/9 (火) 17:08:46 - Shinji - No.1095338838.3
ein Freund von mir と einer meiner Freunde はどう違うのですか。Google では前者が後者の 10 倍近くありました。英語の a friend of mine と one of my friends に対応すると思いますが、使い分けはあるのでしょうか。

返信4 返信-4
 2006/5/12 (金) 09:30:51 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1095338838.4
> ein Freund von mir と einer meiner Freunde はどう違うのですか。

この形ですと使い分けはないでしょう。どちらも同じ意味になります。
ただし、結果的に同じになるだけであって、指し示し方は前者と後者で違います。
前者は [ein Freund [von mir]] という構造で、後者は [einer [meiner Freunde]] とい
う構造に分解できます。前者の von mir も、後者の meiner Freunde も(片方は前置詞
句、片方は2格名詞句という違いはありますが)「〜の」という所有関係を表しているの
はご承知のとおりです。すると、前者は「私に属するものの“集合”のうち、一人の友達」
を取り出しているのに対し、後者は「私のたくさんいる友達という“集合”の中から、ある
一人」を取り出していることになります。どちらも最終的にはあるひとつを取り出してい
るのですが、その取り出す集合(取り出したい対象のはいった“袋”)が違っています。

仮に、上記の2つの表現の Freund を alt (古くからの) という形容詞で修飾してみます:

(a) ein alter Freund von mir
(b) einer meiner alten Freunde

(a) のほうは、“わたし”には「古くからの友達」はただ一人しかいないかもしれません。
しかし (b) のほうは、“わたし”には「古くからの友達」は複数人おり、今回はその中か
らある一人を取り出した、、、ということになります。

ドイツ語の音素について 引用
  2006/5/6 (土) 02:39:25 - Shinji - No.1146850765
こんにちは。

Anthony Fox (1990) によると、ドイツ語の [pf] と [ts] は pfropf や zwei など語頭
で子音連続を形成できるので単一の音素と見なすのが良いが、[t∫] はほとんど語頭に立
たずまた他の子音ともつながらないので音素の連続 /t+∫/ と見なすのが良いとありま
す。一方、音素 /t∫/ を立てる説明も多く見かけます。これについてどう考えますか。
(Anthony Fox. 1990. The Structure of German. Oxford University Press. ISBN
0198158211. 日本語訳: 福本義憲訳, ドイツ語の構造, 三省堂. ISBN 4-385-35444-8)

http://en.wikipedia.org/wiki/German_phonology#Fortis-Lenis_Pairs では、硬音
(fortis)・軟音 (lenis) の対として、/p-b/, /t-d/, /k-g/, /s-z/, /∫-3/ が挙げられ
ています。北部の無声・有声の対立と、南部の有気・無気の対立を含めた言い方です。一
方、/f-v/ は、/v/ が常に有声音なので、硬軟の対ではないと書いてあります。しかし形
容詞 brav を考えると、/f/ と /v/ を組にするのが自然です。これについてどう考えま
すか。

返信1 返信-1
 2006/5/7 (日) 22:48:43 - 田中雅敏 - <mail@daisuki-doitsu.info> - No.1146850765.1
こんにちは。
単一の音素かどうかを調べるテストに Opposition というのがあります。これは「代替可
能性」を見るもので、いわゆる Ersatzprobe です。最小限に交代可能な音素の部分を単
一の(異なる)音素であると見るテストです。/pf/, /ts/, /t∫/ がそれ以上分解して他
の音素と代替不可能であれば、それらはその形でセットであり、それ以上は分解できな
い、つまりそれで単一音素だということがわかります。
 なお、/t∫/ はもともとドイツ語にはなく、外来語に見られる音のようですので事情が
違いますが、/pf/ と /ts/ が単一の音素であることは、歴史的にも見てとれますのでご
紹介します:
古高ドイツ語 (Althochdeutsch) の成立時、それまでのゴート語やアングロサクソン語な
どの古ゲルマン語からの音韻変遷が起こりました。【第二次子音推移】ないしは【古高ド
イツ語音韻推移】と呼ばれるものです。この子音推移では、pp → pf, tt → tz, kk → ch
などの子音重複に関する音韻推移が起こっています。
(例)<アングロサクソン語> appel → <古高ドイツ語> apful /pf/
   <古ザクセン語> settian → <古高ドイツ語> setzen /ts/
   <古ザクセン語> wekkian → <古高ドイツ語> wechan
/pf/ や /ts/ が、歴史的には二重連続子音から派生したものだということを考えると、
こえはこれ以上分解できない、これで単一の音素だということになります。
 /t∫/ はゲルマン語には本来はなかった音のようですので(例:Deutsch はラテ
ン語の theodiscus から来ている)、この観察ですと /t∫/ はどのようになるのかちょっ
と分かりませんので、Ersatzprobe のほうもやってみます。
 Pflock --- Block
 Pflug --- klug
 Pfropf --- Tropf --- trotz
/pf/ はこれ以上分解した形では代替不可能です。"Ptlock" とか "Trosf" など、/p/ と
/f/ は分解できません。従って、/pf/ は単一音素であるといえます。/ts/ も同様。
 rutschen --- rufen
 deutsch --- Deut
/t∫/ もこれ以上小さく分解して何かと代替可能というわけではなさそうです。
 一応、私としては、/pf/, /ts/, /t∫/ はいずれも同じ Affrikaten (破擦音) の単一音
素であると考えています。

/f/ と /v/ については、私も同意見で、対で考えてよいと思っています。
弁別素性 (distiktive Merkmale) としては、
  /f/: [+labial, +frikativ, -stimmhaft]
  /v/: [+labial, +frikativ, +stimmhaft]
で、有声と無声の対立を認めることができると思います。その具体例としては、挙げられ
ている brav --- ein braves Kind や、Motiv --- Motive
など。
よろしくお願いします。

返信2 返信-2
 2006/5/8 (月) 11:34:56 - Shinji - No.1146850765.2
ありがとうございます。du rutschst は /rUt∫st/ ですか。発音しづらいですね。また質問があります。denken の二つの e は [ε] と [∂] ですが(変な字ですみませんが、e の逆さです)、これらは相補分布なので、つづり通りに同一の音素と見なしたり、見なさなかったりします。これについてはどう考えますか。Danke の e は、つづりからすると [ε] よりむしろ [e:] と相補的だと思うので、独立させるほうが良いと思う一方、[∂] は対応する長母音が無いという点で例外的で、異音と見なすほうが美しいとも思います。もう一つ、ドイツ語の辞書を見ると、外来語には元の言語の発音が載っていますが、実際に維持されているのでしょうか。フランス語の鼻母音を本当に発音しているのですか。日本語では、外来語も必ず日本語化されますが。また、Dschungel の [dZ] は有声破擦音で例外的ですが、定着して一つの音素になったのでしょうか。

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